「楽楽自動応対」としてリブランディングを敢行
「楽楽自動応対」とは、商材・サービスに関する問い合わせの管理や応対業務の負担削減を支援するシステムです。
例えば、企業の代表アドレスである「info@~」に問い合わせが届いた際、「誰が対応しているのか」「対応済みなのか、対応中なのか」が把握しづらく、対応漏れや属人化が発生することがあります。「楽楽自動応対」は、こうした問い合わせ対応をチームで管理できるツールです。応対状況を可視化し、情報共有の円滑化や対応品質の向上を支援します。
「楽楽自動応対」は、2001年にリリースした「メールディーラー」をリブランディングしたサービスです。「メールディーラー」はメール共有システムの先駆けとして多くのお客さまにご利用いただいてきました。代表アドレス宛ての問い合わせメールをチームで管理し、問い合わせ対応の効率化を支援するサービスとして成長を続け、17年連続でシェアNo.1を獲得しています。
私たちが目指しているのは、メール対応の効率化にとどまりません。メールだけでなくチャットやFAQなどを含めたテキストコミュニケーション全体を効率化し、お客さまの応対業務をより円滑にすることを目指しています。
そのため、メール共有システムとして培ってきた強みを生かしながら、支援領域を広げてきました。現在はメール管理に加え、AIによる返信支援やFAQ活用などを通じて、お客さまの応対業務全体を支援するプロダクトへと進化しています。
こうした変化に対して、「メールディーラー」という名称は、メール共有システムという印象を強く与えるため、現在の提供価値を十分に表現しきれなくなっていると感じていました。
そこで2025年10月、サービス名称を「楽楽自動応対」へ変更したのです。
既に多くのお客さまに利用いただいているサービスだからこそ、私たちはお客さまの現場で何が起きているのかを直接うかがうことができます。AIによって応対業務のあり方は変わりつつありますが、どこまでをAIに任せ、どこからを人が担うべきかに明確な正解はありません。私たちはお客さまの声をもとに、その最適なあり方を探りながらサービスを進化させています。

新たな顧客層への展開で、次の成長フェーズへ
成長戦略の柱の一つが、エンタープライズ(大手企業)への提案強化と、新たな業界のお客さまへの価値提供拡大です。
「楽楽自動応対」はこれまで中小企業のお客さまを中心に支持をいただいてきましたが、近年は規模の大きな企業での導入も増えています。そうしたニーズの広がりを受け、より適した提案や支援を行うための取り組みを進めています。
そうしたお客さまへの提案や支援を担うため、エンタープライズ専任の組織を立ち上げました。
エンタープライズ企業では、利用人数や拠点数が多いため、拠点ごとに代表アドレスやメールボックスを運用するケースも少なくありません。そのため、お客さまごとの業務や運用の実態を把握したうえで、各社の状況に合わせた提案や活用支援を行っています。
近年は、ホテル業界やBPO業界などのお客さまに対する支援が増えています。実際にお客さまの現場を訪問し、問い合わせ対応の流れや運用課題を把握したうえで、業務負荷の軽減につながるよう支援を行っています。
実際にお客さまの現場を見ることで、個社ごとの課題だけでなく、業界共通の課題も見えてきます。そこで得られた知見や成果は、特定のお客さま向けの提案に留まりません。業界共通の業務や課題を整理し、機能やノウハウに反映することで、同様の課題を抱えるお客さまにも活用いただける形へと展開しています。
また、AIを活用した機能開発においても、私たちはお客さまの実態を起点に考えることを大切にしています。新しい技術や機能が次々と登場するなかでも、目の前の施策やトレンドを追うのではなく、最終的にどのような状態を目指すのかを考える「ゴールオリエンテッド」の姿勢を重視しています。短期と中長期の両面から優先順位を判断しながら、お客さまにとって本当に価値のある取り組みを進めています。

お客さまの実情から見えてきた、求められるAI機能
「楽楽自動応答」の強みは、お客さまの現場に近い距離で課題と向き合い続けてきたことです。多くのお客さまにご利用いただくなかで、さまざまな企業や業界の問い合わせ対応の実態に触れてきました。その知見を提案や機能開発、導入後の支援に反映しています。
そのなかで注力しているのがAIの活用です。AIによるクレーム検知機能やメール自動返信機能、FAQ機能などを通じて、お客さまの応対業務の負荷軽減を支援しています。
問い合わせ対応におけるAI活用は決して単純ではありません。
例えば、経費精算のような業務には法要件や明確なルールがあります。一方で、メールや問い合わせ対応は、お客さまごとの状況によって求められる回答が異なります。実際のお客さまの現場では、「この商品をこう使いたい」「このケースではどう対応すればよいか」といった個別性の高い問い合わせが日々発生しています。
こうした問い合わせに対して、AIが回答案を作成することはできますが、その内容をそのまま送信したいと考える企業さまは多くありません。
私たちがお客さまへのヒアリングを通じて感じているのは、「AIが作成した文面は確認したい」「最終的な判断は人が行いたい」という声の多さです。
実際には、「AIがどのような情報をもとに文面を作成したのかを確認したい」「AIが個別対応を行ったとして、それによってトラブルが生じた際には誰が責任を取るのかという話にもなりかねない」という懸念を抱くお客さまが少なくないのが実情です。そこにあるリアルなお客さま心理は、「個別対応まですべてをAIに任せるのは心配」ということでした。
だからこそ私たちは、AIによる全面的な自動化を目指すのではなく、AIに任せられることと人が担うべきことを見極めながら、お客さまにとって現実的なAI活用のあり方を模索しています。

お客さまの実情に寄り添ったAIソリューションへの進化を目指す
私たちは、AIによる全面的な自動化を目指しているわけではありません。
お客さまへのヒアリングや現場での支援を通じて見えてきたのは、AIに任せられることと、人が担うべきことがあるという現実です。だからこそ、私たちはAIによって自動化できる領域と、まだ人の判断が必要な領域の切り分けを重視しています。
その見極めにあたっては、お客さまの業務だけでなく、自組織のカスタマーサクセス(CS)業務にも目を向けています。私たち自身が行う導入支援や運用支援も、AIと人の役割分担を考えるうえで重要なヒントになっているからです。
例えば、FAQチャットボットで解決できる問い合わせの自動化は、その代表例です。定型的な問い合わせをAIで対応することで、お客さまは状況に応じた判断や個別対応など、人だからこそ価値を発揮できる業務により多くの時間を使えるようになります。私たちが目指しているのは、AIを導入すること自体ではなく、お客さまの業務をより良くすることです。AIの進化が続く今も、理想論ではなく、お客さまの実情に即したAI活用を追求していきたいと考えています。
全員の力を結集し、まだ見ぬ最適解をカタチにしよう
「楽楽自動応対」は25年以上続くサービスですが、組織は想像以上に若いかもしれません。現在は20代〜30代前半のメンバーが中心で、年次に関係なく裁量を持って仕事に取り組んでおり、新しい施策や取り組みを任される機会も多くあります。
扱う領域が広いため、最初は学ぶことの多さに驚くかもしれません。サービスや業務知識を身につけるだけでなく、お客さまの状況を踏まえて考え、自分なりの仮説を組み立て、それを論理的に伝える力も求められます。
もちろん、一人で身につける必要はありません。日々の対話や面談を通じて考え方をすり合わせながら、成長を後押ししています。
また、「楽楽自動応対」は営業やカスタマーサクセスだけで成り立つサービスではありません。開発やインフラ、管理部門を含め、さまざまな職種のメンバーが連携しながらサービスを支えています。
だからこそ大切なのは、自分だけの成果だけではなく、事業全体を見ながら行動することです。目の前の業務を着実に積み重ねながら、お客さまにとってより良いサービスとは何かを考え続けられる人が活躍しています。
AIによって応対業務のあり方が変わろうとしている今も、私たちはお客さまの実情に寄り添いながら試行錯誤を続けています。挑戦したいことはまだ数多くあります。変化を楽しみながら、一緒にこれからの「楽楽自動応対」をつくっていきましょう。
※所属・役職はインタビュー時点(2026年5月)のものです。