リーダーが語る
トップランナーとして新たな戦略に挑み、
市場の進化をリードする
上級執行役員
楽楽クラウド事業本部 本部長
兼)楽楽クラウド事業本部 マーケティング統括部 統括部長
兼)楽楽請求統括課 事業統括課長
吉岡 耕児
PROFILE
食品業界グローバル最大手企業において、営業、SCMそしてブランドマーケティングと幅広い領域に従事。
その後、スタートアップ企業を立ち上げ、副社長として事業戦略全般を担当し、ビジネスの拡大に貢献。
大手外食チェーンにおける事業責任者を経て、2020年に株式会社ラクスに参画。
2021年10月に楽楽精算事業統括部長、2023年2月より執行役員 楽楽クラウド事業本部長に就任。
市場の変化と向き合い、次の成長段階へ
ラクスはこれまで、クラウドサービスを多くのお客さまに提供し、着実に事業を拡大してきました。
しかし今、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。特にAIの進展は、クラウドサービスのあり方や働き方そのものに影響を与え始めています。
これまでは制度改正や市場拡大といった追い風もありました。
これからは、環境変化に適応するだけでなく、自ら変化を起こし、マーケットをリードしていくことが求められます。
ラクスは今、次の成長段階へ進むための重要な局面にあります。
この認識のもと、2027年3月期から始まる新たな中期経営計画では、「マルチプロダクト戦略」「エンタープライズ戦略」「エリア戦略」という3つを重点戦略に掲げました。
マルチプロダクト戦略 ― 業務全体を支える仕組みへ
1つ目の「マルチプロダクト戦略」とは、お客さま1社1社に対してラクスのクラウドサービスを複数組み合わせて活用いただき、各サービスによる支援をシームレスにつなぐ取り組みです。
「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」など、ラクスではサービスごとに支援対象となる業務領域を明確化し、それぞれの領域で最適な機能や課題解決を追求してきました。ラクスではこの戦略・アプローチを「ベストオブブリード」と定義し、各サービスが導入社数・シェアを伸ばしてきました。
今後はこの基盤を起点に、さらに踏み込んだ「統合型ベストオブブリード」を進めます。サービス間の連携強化を進め、請求処理、販売管理、勤怠管理などを楽楽クラウドシリーズ全体で一貫して支援することで、業務課題の全方位的に支援を目指します。
具体的な取り組みの一例として、2026年3月に共通ID基盤「楽楽従業員ポータル」をリリースしました。シングルサインオンにより、複数サービスの横断利用がよりスムーズになっています。
重要なのは、これは単にサービスを横並びで増やす話ではないという点です。お客さまの業務を全体で捉え、最適な組み合わせを提案する営業・支援のやり方自体を変える取り組みでもあります。従来の単体プロダクト中心の売り方から、業務設計に踏み込むコンサルテーション型の提案へと、現場の行動や思考を進化させていきます。これにより、複数サービス利用推進を戦略的に進め、お客さまの課題解決を「深く、広く」支援していきます。
エンタープライズ戦略 ― 市場領域の拡張
2つ目の「エンタープライズ戦略」は、大手企業(エンタープライズ)への本格的な導入拡大を狙う取り組みです。
ラクスのクラウドサービスは、いずれも企業規模にかかわらずご活用いただけるものです。これまでは業務効率化やデジタル化において目に見えた課題を有する中堅・中小企業を中心にアプローチし、TVCMやWeb広告等を通してリード(見込み客)を創出する「リード・ベースド・マーケティング」によってシェア拡大を続けてきました。基盤が厚くなった今、次の成長の柱として意図的に大手企業へ働きかけを強めています。
その戦術が「アカウント・ベースド・マーケティング」です。従来のように広く見込み客を集めるのではなく、特定の企業を定め、その企業ごとの課題や組織構造を踏まえながら、継続的に関係を築いていくアプローチです。
これまでのアプローチとは全く異なるため、導入当初は課題も見られましたが、徐々に大手企業との接点構築の手応えが得られ、導入事例も増えています。今後はPDCAを回し、取り組みの再現性を高めていきたいと考えています。
これは難易度の上がる挑戦です。その分、提案の質や事業を俯瞰する視点がより強く求められます。ラクスでは、SMB向けの再現性ある営業と、エンタープライズ向けの個社深耕型営業という、異なるアプローチを経験できる土壌があります。自ら手を挙げれば、そうした異なるアプローチに挑戦できる機会が広がっています。
エリア戦略 ― 全国に拠点を広げ、未開拓市場へアプローチ
そして3つ目が「エリア戦略」です。
ラクスでは東京・名古屋・大阪・福岡などの都市部を中心に営業拠点を構え、広域エリアにおけるシェア拡大を図ってきました。一方、マーケットの現状を見ると、都市部での浸透が進む一方で、地方には依然としてクラウド未導入の企業が多く残っており、市場の「白地」は大きく存在しています。
私たちはこの白地を戦略的な成長機会と見なし、対面での丁寧なフォローができるよう拠点展開を進めています。すでに札幌、仙台、新潟、静岡、広島に拠点を立ち上げ、地域に根ざした営業活動を展開しています。
あわせて、地方銀行やカード会社など、地域に密着した代理店各社とのパートナーシップを強化し、双方の顧客基盤を活用して効率的にリーチを拡大しています。
AIの実装 ― 仕事のあり方そのものを変える
もう一つ、戦略において特筆すべきは、AIの取り込みです。
ラクスでは早くからAIの有効性に着目し、AIによる自動化支援を各サービスの随所に組み込んできました。さらにその取り組みを加速させるため、2025年には「AIエージェント開発課」を設置し、AIが業務を担うプロダクトへの進化をスピード感をもって進めています。
その成果の一端として、2025年12月には、AIが領収書の内容を読み取り、経費申請の作成までを自動で行う「楽楽AIエージェント for 楽楽精算」β版の提供を開始しました。また、「楽楽明細」ではAI-PDF加工機能を搭載し、PDFの取引先別分割から電子帳簿保存法対応のデータ化までを自動化。「楽楽販売」ではAIアシスト機能を実装し、自動提案と専任担当者の支援により、システム構築のスピードと精度を向上させています。各プロダクトでAI機能の実装を進め、プロダクトへの進化を加速させています。
社外への提供だけでなく、私たち自身の業務でも積極的に活用を進めています。
営業がAIを活用して提案資料や製品デモンストレーションを作成する。製品企画担当が新機能のプロトタイプを構築するなど、業務そのもののやり方が変わりつつあります。
AIがあることで、情報取得やフィードバックの質は大きく変わりました。その中で、一人ひとりがどのように価値を発揮するかが、これまで以上に問われています。
AIの進展をチャンスととらえ、今後も「クラウドサービス×AI」によって新しい顧客支援のあり方を切り拓きます。そして、私たち自身も新しい働き方をつくっていきたいと意気込んでいるところです。
「楽楽クラウド」の支援領域が拡大
ラクスのサービスラインナップは着実に増え、「楽楽クラウド」全体としての支援領域は「より深く、より広く」拡大を続けています。
「楽楽精算」「楽楽明細」はラクスの基幹サービスとしてマーケットに浸透し、これらから派生して「楽楽請求」「楽楽電子保存」などの新規サービスを立ち上げています。近年は販売管理や勤怠管理の業務領域へサービスを拡大しています。。2026年4月には、プラスアルファ・コンサルティング社との協業によって「楽楽人事労務」の提供を開始し、HRテックの領域へも支援領域を広げています。
これらの広がりは、新しくラクスに加わっていただく皆さんにとっても多様なキャリアの可能性を生んでいます。各サービスを深掘りする専門性を磨く道も、領域横断でソリューション力を高める道も、組織横断で企画・コンサルティング力を伸ばす道も選べます。
挑戦を通じて広がるキャリア
キャリアの可能性でいえば、一つのサービスを突き詰め、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスなどの担当ファンクションで磨いていく道があります。これはこれまでラクスが強みとしてきた、再現性の高い成長モデルです。
一方、今後広がっていくのは、支援領域の近いサービスに横断して関わるキャリアです。例えば支払業務を支援する「楽楽精算」「楽楽請求」にまたがって提案や支援を行うことで、単体プロダクトではなく、業務全体を見渡したソリューション力を高めていくことができます。HR領域、販売管理領域についても同様です。
さらに、「楽楽クラウド」全体を横断する立場でマーケティングやセールスに関わることで、企画力やコンサルティング力を高める道もあります。
「広がり」という面では、今後は中堅・中小企業とエンタープライズ双方へのリーチを強化していく中で、いずれかに専門性を磨くことも、両領域を横断して視野を広げることもできます。クラウドサービス企業ではどちらか一方に特化しているケースも少なくありません。その点ラクスでは、1社にいながら両方のアプローチを経験できる環境があり、視野や経験の幅を広げることにつながります。
こうした多彩なキャリアを自律的に選び、描けるように、ラクスでは年4回の社内公募制度を設けています。自ら手を挙げてキャリアアップ・キャリアチェンジを叶えることが可能です。
実際に、社内公募を通して新規サービスに参画し、リーダーやマネージャーへ昇格した社員もいます。都市部から地方拠点の立ち上げに挑み、自らの裁量でマーケットを切り拓きながらマネジメント力を高めた社員もいます。エンタープライズ戦略を担う部署へ異動し、専門性を磨いている社員もいます。
各人が自らの意思で挑戦を選び、キャリアを築いている姿を、頼もしく感じています。
変化を前提とした成長へ
これまでラクスは、クラウドサービスのトップランナーとして走り続けてきました。DXの加速や法改正などによって私たちを取り巻く環境が変わり、追い風となった側面もありました。
これからは、環境変化に対応するだけではなく、先々を見据えて柔軟に変化し、環境やマーケットの変化をリードしていくことが重要です。そのためには、先を見据えた意思決定と、変化を実行に移す力が欠かせません。
ラクスには「ユニークネス」という大切にしている思考があります。「ゴールオリエンテッド」「着実な継続」「誠実な合理性」「不確実性の排除」。
目標から逆算し、合理的に判断し、着実に積み上げていく姿勢。
そして、合理性だけでなく、誠実であること。その両立を大切にしてきた文化が、これまでの成長を支えてきました。この土台を礎に、私たちは次の変化へ踏み出しています。
私自身も、その変化を事業運営を担う立場から日々実感しています。
私はラクスに入社する以前、縮小する市場で事業を守る経験をしてきました。ラクスでは、拡大し続ける市場で成長をけん引する面白さを存分に体感してきました。今、新たな成長に向けて変化に挑む日々は、難易度は上がりますが、事業を前に進める実感も大きい。難しさを伴うからこその緊張感にやりがいを感じています。
ラクスはこれから新しい変化を遂げていく過程にあります。変化を前向きに受け止め、自ら動き、成果を追求する。そうした姿勢を持つ方とともに、次の成長段階をつくっていきたいと考えています。