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HRテック全般へ拡大加速。その手段としてアジャイルを推進

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HRテック全般へ拡大加速。その手段としてアジャイルを推進
譜久村 順次 HRソリューション開発部 部長 2024年入社

SIerの受託開発でシステム構築に携わった後、20代後半でソフトウェア会社を起業。10年ほど代表取締役として経営に携わる中で勤怠管理・給与計算のクラウドサービスを立ち上げ、大手精密機器メーカー系のIT企業へ事業ごと譲渡して自らも転籍。事業責任者として約20年間その事業を率いた後、2023年にラクスへ事業譲渡され、2024年の合併を経てラクスに加わった。

「楽楽勤怠」を起点に、企業の人事業務を支えるサービスへ

HRソリューション開発部が手がける「楽楽勤怠」の前身は、「kinnosuke(キンノスケ)」という勤怠管理クラウドサービスです。実は私が独立起業した際に開発したプロダクト。その後、kinnosuke事業をHOYA社に譲渡し、私自身もHOYAに移籍して、約20年にわたり同事業の責任者を務めてきました。

2023年には、HOYA社からラクスへkinnosuke事業が譲渡され、それを機に私自身も開発責任者としてラクスに移りました。そして2024年4月、勤怠領域におけるシェア拡大のピッチをさらに加速するべく、ラクスが手がけていた勤怠管理サービスとkinnosukeを合併し、楽楽クラウドシリーズとしてリブランディングしたのが、現在の「楽楽勤怠」です。

現在は「楽楽勤怠」を起点に、勤怠から給与計算・労務管理・タレントマネジメントまで、企業の人事業務を支えるサービスへ開発領域を広げています。2025年11月には、タレントマネジメント市場で人材データ活用プラットフォームを提供するプラスアルファ・コンサルティング社(以下、PAC)と提携し、同社が手がける人事支援プロダクト「タレントパレット」の労務支援機能をOEMで提供いただき、「楽楽人事労務」として2026年1月から順次提供を開始しています。

ラクスはこれまでファイナンス領域を中心に業務支援サービスを提供し、事業を拡大してきました。その強力な顧客基盤と顧客支援ノウハウを活かし、人事業務を支えるHR領域も新たな成長の柱として育てようとしています。
その中で、「楽楽勤怠」を中心に据えるのは、勤怠管理が多くの従業員に関わる業務だからです。まずは多くの従業員が利用する勤怠管理を起点に、その周辺へサービスを広げていく。そうして、給与計算や労務管理、タレントマネジメントなど、企業の人事業務を支えるさまざまな領域をカバーしていこうとしています。


アジャイルは手段。本質はDevOpsによる顧客価値の最大化

リブランディングを行った2024年4月以降、「楽楽勤怠」では従来のウォーターフォール開発から、アジャイル開発へと開発プロセスを切り替えています。
狙いは、より速く、より良いものをつくり、顧客に届けること。市場での競争が激しくなる中で、顧客のニーズを素早く捉え、継続的に機能を改善していくことが重要だと考えました。

ラクスの開発部では、「顧客志向」をバリューの一つとして掲げています。顧客のニーズや課題を深く理解し、ときには顧客自身も気づいていない課題まで捉えたうえで、価値のあるソリューションを届ける。さらに、変化するニーズやフィードバックにも素早く対応し、継続的に改善していく。その実践には、企画・開発からリリースまでのスピードを高め、必要な価値をより早く顧客に届けることが欠かせません。

「楽楽勤怠」は、すでに多くのサービスが存在する勤怠管理市場に後発で参入したプロダクトです。そうした市場で成長していくためには、顧客のニーズを素早く捉え、機能を継続的に改善していくことが必要不可欠です。

ただし、アジャイル開発はあくまでも手段です。本質的な目的は、DevOps(デブオプス・開発と運用の連携)の思想をプロダクトに定着させることにあります。言い換えれば、DevOpsを実現するための一歩として、アジャイル開発を導入したのです。

私がラクスに来て感じたのは、開発とインフラがそれぞれの役割を担うことで業務を効率化できる一方、その分、組織がサイロ化し、部門をまたぐ課題への対応に時間がかかっているということでした。何か起きたときに、関係する部門がすぐに連携して対応できる状態をつくることも、スピードを高めるうえで重要だと考えました。

そのため、2024年4月の組織再編を機に、開発プロセスそのものを見直しました。現在は1週間単位のスプリントで開発を進め、リリース頻度も月1回から月2回へと引き上げています。次の目標は、週1回のリリース。その実現に向けて、開発案件をより小さく分け、開発からリリースまでのサイクルをさらに短くしていくことが、今後の課題です。

まだ完成形には至っていません。だからこそ、開発プロセスや組織のあり方を一つずつ変えながら、より速く、より良いものを顧客に届けられる開発組織をつくっていきたいと考えています。

スクラムで、開発スピードをさらに高める

アジャイル開発のフレームワークとして、スクラム開発を取り入れて約2年。現在は、スクラムの手法が組織内に定着してきた段階で、まだ思い描く成果を十分に実現できているわけではありません。 

目指しているのは、1週間のスプリントごとに動くものをつくり、実際にお客さまへ届けることです。

スクラム導入後、月1回のリリースを続け、導入1年目には月2回のペースへ移行しました。次に目指すのは、これを毎週のリリースへと引き上げること。高頻度でリリースを行う企業はまだ限られており、私たちにとっても大きな挑戦です。

スクラムを最大限に機能させ、毎週のリリースを実現するには、開発の起点となる要求項目を、1週間程度で実装できる単位まで細分化する必要があります。しかし、事業側から上がってくる要求は一つひとつのボリュームが大きく、そのままでは短いサイクルで開発・リリースすることが難しい。いかに要求を小さく分け、段階的に価値を届けていくかが、今の大きな課題です。

そうした現状を踏まえ、開発サイドだけでなく、事業部全体にスクラムの考え方を浸透させていく必要があると考えています。開発チームだけで完結するのではなく、事業側とも対話しながら、開発の進め方そのものを変えていくことが求められています。


スクラムチームを支え、組織の成長をリードする

HR領域へのサービス展開と開発組織の拡大が進む今、チームの成長を支えるマネジメント層の強化も重要なテーマになっています。そこで、アシスタントマネージャー(AM)やエンジニアリングマネージャー(EM)の採用を進めています。 

AM、EMとして入社する皆さんに期待したいのは、スクラムチームを支援し、チームが力を発揮できる状態をつくる「スクラムマスター」の役割です。

スクラムチームには、フロントエンド・バックエンド・インフラのエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーなど、さまざまな役割を持つメンバーが集まります。スクラムマスターには、チームが開発を円滑に進められるよう、課題を解消したり、事業側との調整を行ったりしながら、プロダクト開発を前に進めることを期待しています。加えて、チーム編成やメンバーの目標設定・評価など、ピープルマネジメントも担います。

そのために大切なのが、メンバーとの信頼関係を築き、必要な場面で支援しながら、チームの力を引き出していくことです。いきなり大きな判断を任せるのではなく、まずはチームに入り込み、メンバーとの関係を築く。そこからスクラム開発の進め方や事業側との協議、HR領域のビジネスドメインへの理解を深めていきます。

現在活躍しているAMも、まずはチームに溶け込み、日々の開発や事業側とのやり取りを理解するところからスタートしています。チームや事業への理解を深めたうえで、スクラムマスターとしてチームを支え、さらに組織づくりにも役割を広げていく。これから加わるEMにも、現場を理解しながら、チームと組織をよりよくしていくことを期待しています。

事業・技術・組織。リーダーとして担う領域を広げていく

先に触れたように、開発の優先順位や内容を検討する際には、顧客ニーズに最前線で触れる事業側と、技術を熟知する開発側が協議し、意思決定を行っています。

その過程では、AM・EMが事業側の製品企画チームとの協議・交渉を担います。顧客提供価値を軸に、製品をどう改善すべきか、技術的負債が生じないか、内在する不具合をどう解消するか、インフラコストをどう抑えるかなど、事業と技術の両面から論点を整理し、優先順位を考えていきます。技術的な観点を踏まえて事業側と議論し、意思決定の段階から大きな裁量を持って関われることが、AM・EMの役割の大きな特徴です。 

技術面では、テックリードやリードエンジニアの知見を借りながら検討し、フロントエンド、バックエンド、インフラの各エンジニアともかかわりながらチームを前へ進めます。開発のさまざまな領域に関わりながら、技術と組織の両面からプロダクト開発を捉えられることも、AM・EMとして働く面白さの一つです。 

HRソリューション開発部では、勤怠や給与計算などのドメインごとに複数の課を設けています。AM・EMには、それぞれの課の責任者として組織運営にも関わってもらいます。会社や事業部が掲げる上位目標を踏まえて、各課のミッション・ビジョン・戦略ゴールを定め、そこからメンバー個々の目標へ落とし込む。そして、目標の達成に向けて、組織やメンバーが力を発揮できるよう支えていくことも、AM・EMに期待する役割です。

ラクスでは、AMからEMへのステップアップにあたり、開発だけでなく、事業や組織マネジメント、組織戦略、マーケティングなどを学ぶ機会があります。技術だけではなく、事業や組織を動かす視点を身につけられることも、マネジメント職としての成長につながります。 

HR領域のサービス拡大に伴って、マネジメントする範囲も広がっていきます。まずは一部の機能やチームから、プロダクト全体、新規プロダクトの立ち上げ、さらに複数の課や部全体へ。事業の成長とともに、自分が担う組織のスケールを広げていけるフェーズです。


「スピード&チャレンジ」を実践し、ラクスの未来を切り拓く

今後、HRソリューション開発部がさらに進化していくためには、組織としてAIの活用とビジネスドメインの理解にいっそう力を注ぐ必要があると考えています。

AI駆動開発を実現し、生産性を高めることも重要なテーマです。AIの活用はすでに始まっていますが、現時点ではまだ組織として活用方法を確立できていません。個々の工夫にとどめず、AIを開発プロセスにどう組み込み、組織全体の生産性向上につなげていくかを模索しています。 

一方で、AIによって開発のスピードが上がるほど、「何をつくるべきか」を判断する力も重要になります。私たちは、顧客の業務を深く理解し、顧客自身も気づいていない潜在的な課題まで捉えたうえで、「顧客が感動するソリューション」を提供することを開発部のミッションに掲げています。 

「楽楽勤怠」の担当は勤怠だけを知っていればいいというわけではありません。人事や給与など周辺の業務はもちろん、関連する法制度まで含めてビジネスドメインを広く理解してこそ、顧客にとって本当に価値のあるソリューションを考えられる。AIに何をつくらせるのか、その判断にも顧客や業務への深い理解が欠かせません。
だからこそ、メンバーがビジネスドメインへの理解を深められるよう、研修や学習の機会を設けるなど、組織としての支援も強化していきたいと考えています。

私たちが目指しているのは、HRソリューション開発部だけが変わることではありません。開発部門の各組織が領域を越えてつながり、DevOpsの考え方やアジャイル開発で得た知見を共有しながら、お互いの開発や組織づくりに良い影響を与え合う状態をつくっていきたいと考えています。

HRソリューション開発部は、いままさに変化の途中にあります。AI駆動開発、ビジネスドメインの理解、アジャイルやDevOpsの実践。これらを組織として前に進め、その変化をラクス全体へ広げていく。その挑戦を、これから加わる皆さんと一緒につくっていきたいと考えています。

※所属・役職はインタビュー時点(2026年9月)のものです。

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