1,500件の通知書封入作業をゼロへ。
複雑な源泉所得税計算とインボイス対応を両立させた「楽楽クラウド」活用術

株式会社マイクロハウス様

出版社を擁するマイクログループのバックオフィス業務を一手に担う株式会社マイクロハウス。同社では、作家やクリエイターへの膨大な支払明細発行業務を、長らく紙と郵送というアナログな手法に頼っていました。
事業拡大により手作業での管理が限界を迎える中で、2023年10月のインボイス制度開始を契機と捉え、システムによる一元管理を決断。導入に伴う複雑な源泉所得税計算の自動化や、複数部署にまたがる膨大なデータの統合をいかにして成し遂げたのかを、プロジェクトを主導した久保田氏と岡田氏(以下、敬称略)に伺いました。

会社名 株式会社マイクロハウス
業種 人材派遣業、広告代理業
従業員数 160名※2026年3月現在、グループ全体
導入サービス 「楽楽販売」
「楽楽明細」
  • 課題

    • 支払明細発行を紙で行っており、月1,500件に及ぶ封入・郵送作業に多大な労力と切手代がかかっていた。
    • 個人への支払総額が月100万円を超えると税率が変わるため、複数部署の支払額を合算した上での複雑な手計算と再確認が必要だった。
    • 適格請求書発行事業者の判別が必要になったが、各部署で管理するExcelでは情報の更新頻度や正確性に限界があった。
  • 効果

    • 「楽楽明細」の導入により、ボタン1つでメール送付が可能になり、郵送コストと数日がかりの発送作業がほぼゼロになった。
    • 「楽楽販売」で構築したロジックにより、源泉所得税計算が完全に自動化された。
    • 固有番号を振ることで、銀行情報やインボイス情報を正確に一元管理。振込エラーや情報の更新漏れといったミスが激減した。
お話を伺った方
  • 株式会社マイクロハウス 総務・経理部 部長 久保田 様
  • 株式会社キルタイムコミュニケーション 常務取締役 岡田 様

紙による管理の限界と、インボイス制度が突きつけたシステム導入の必要性

まずは、貴社の事業内容と、お二人の社内での役割について教えてください。

久保田:当社はマイクログループという組織の中で、主に各グループ会社の総務経理業務を横断的に管理しています。グループ内には、出版業を営む株式会社マイクロマガジン社や株式会社キルタイムコミュニケーションがあり、コミックや小説などを刊行しています。私はマイクロハウスの総務経理部にて部長を務めており、バックオフィス全体の統括を担当しています。

岡田:私はキルタイムコミュニケーションに所属しており、「楽楽販売」および「楽楽明細」の導入にあたっては、システム構築のメイン担当として現場の要件を形にする役割を担いました。

システムの導入前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

イメージ

久保田:当時は作家や業者への支払明細発行がすべて紙で行われており、管理や郵送に膨大な手間とコストがかかっていました。特に、出版部門では1つの支払先に対して担当部署が異なる複数の案件がある場合、部署ごとに明細を発行・送付していた点が課題でした。例えば編集部からは原稿料や印税、電子書籍部門からは電子書籍のロイヤリティ、営業部からは版権料…といった具合です。

さらに、個人の方へ支払う際には源泉所得税や復興税を計算する必要がありますが、1ヶ月の支払総額が100万円を超えると、超えた分の徴収税額が2倍になります。部署ごとの支払いを合算した後で100万円を超えていた場合、税率の計算をすべて手計算でやり直す必要があり、ミスのリスクが常にありました。

岡田:労力の面でも限界でした。電子書籍の支払先だけで多いときは1,000件を超えます。グループ全体では1,500件ほどになり、各部署でアルバイト数名がかりで数日掛けて明細の封入作業を行っていました。

久保田:こうしたアナログ管理の限界が見えていたタイミングで、追い打ちをかけるように2023年10月からインボイス制度がスタートすることになりました。免税事業者か課税事業者かを見極めるためのデータベースが必要になりましたが、各部署でバラバラに管理しているExcelにインボイス情報まで追加して運用するのは、さらなるミスの発生を招きかねないという懸念がありました。
事業規模が拡大し続ける中で、これ以上アナログな手法を続けることは不可能だと判断し、システム導入による抜本的な解決を決断したのです。

問い合わせから導入に至った経緯を教えてください。

岡田:最初は郵送作業をなくしたいと考え、「楽楽明細」を調べていました。しかし、当社で生じている課題を根本から解決するには、単に書類を発行して送るだけでなく、複雑な源泉所得税の計算ロジックをシステム化する必要がありました。そこで、問い合わせの際に相談したところ、「楽楽販売」で計算を行い、そのデータを「楽楽明細」へ連携させるという構成を提案いただいたんです。まずは無料トライアルを試してみようということになり、2024年の夏頃から構築をスタートしました。

40もの自動処理パーツで複雑な計算を完全自動化。週1回の伴走サポートでロジックを形に

構築で大変だった点をお聞かせください。

岡田:支払通知書のフォーマット作成には苦労しました。原稿料や印税だけでなく、販促費用や海外向けの印税など支払内容が多岐にわたり、それぞれで必要な項目や計算ロジックが異なるためです。たとえば、海外の支払先であれば日本の消費税は対象外になりますし、企業宛てなら源泉徴収は行わないといった細かなフラグ管理が必要です。これらを1つの汎用フォーマットに落とし込むのは難しく、最終的に複数のパターンを用意し、フラグのオン・オフで項目を出し分ける設計に辿り着くまでが大変でした。

久保田:最も難航したのは、インボイス制度に紐づく計算ロジックの実装です。登録事業者には本体価格に消費税を乗せて総額を出し、源泉所得税は本体価格から引く一方で、免税事業者には本体価格から直接源泉所得税を引くといった、対象によって計算の起点が変わる複雑なフローを組まねばなりませんでした。

岡田:そのロジックを実現するために、「楽楽販売」の中で、自動処理のパーツを40個ほど繋げて条件分岐を作っています。製品として想定されている活用範囲を超えているかもしれませんが、それだけ柔軟に作り込めるツールだということですね。
また、マイクロマガジン社とキルタイムコミュニケーションという、これまでは別々のExcelで管理されていた2社分のデータを1つのデータベースに統合する作業も大きな壁でした。単に合算するだけでなく、古い情報や重複した情報の取捨選択を行い、共通のコードを振り直す作業には、現場での地道な精査が必要でした。

その困難をどのように乗り越えたのでしょうか。

岡田:サポート担当との間で毎週開催される定例ミーティングの存在が大きかったです。進捗を共有し、「次はこれをやりましょう」と具体的に示してもらえるので、作る側としてもモチベーションを維持できました。「来週のミーティングまでにこれを形にしないと」という適度なプレッシャーが、半年という期間での運用開始に繋がったと思います。

久保田:分からないことがあれば直接画面を見てもらいながら相談できた点も良かったです。単なる操作説明に留まらず、私たちのやりたいことを汲み取った上で伴走してくれるサポート体制があったからこその成功だと思います。

自動連携機能によりボタン1つで明細書作成を実現。月1,500件の封入作業がゼロに

「楽楽販売」「楽楽明細」の導入により、どんな変化がありましたか。

久保田:運用フローが劇的に変わりました。現在は、各部署で作成したデータを共有サーバーにアップロードしてもらい、それを経理部が「楽楽販売」に流し込むだけで計算が完了します。毎月の支払いが締まったタイミングで「楽楽販売」のデータを連携し、「楽楽明細」から支払通知書を発行しています。

岡田:最大の成果は、紙の発送作業が無くなったことです。あれほど苦労していた封入作業や郵便局への持ち込みがほとんどゼロになり、各部署の担当者は本来の業務に集中できるようになりました。コスト面でも、毎月10万円以上かかっていた切手代が大幅に削減された点は大きいと思います。

久保田:支払先にとってもメリットがあります。以前は案件ごとに別々の封筒で届いていた明細が、月1回、1通のPDFに集約されたことで、作家側からも確認が楽になったと好評です。また、インボイスの登録番号や銀行情報、銀行支店の統合情報なども一元化されたデータベースで管理できるようになったため、情報の不一致による振込エラーや、最新情報の確認漏れといったミスが激減しました。

「「楽楽販売」と「楽楽明細」の連携機能イメージ

※「楽楽販売」と「楽楽明細」の連携機能

「導入=ゴール」ではない。自社の業務に最適な形を模索し続けることがポイント

製品への期待や、今後のシステム活用の展望について教えてください。

岡田:現在は支払管理が中心ですが、今後は売上集計の自動化にも活用していきたいと考えています。特に電子書籍の売上集計は取引先によってフォーマットがバラバラで非常に複雑なので、ここを「楽楽販売」で統合できれば、さらに大きな価値が生まれるはずです。

また、住所変更などの顧客データを「楽楽販売」「楽楽明細」両システムでリアルタイムに同期できるようになると、さらに利便性が高まると期待しています。

これからシステムの導入を検討される企業様へ、アドバイスをお願いします。

岡田:「分からないことは何でも聞く」という姿勢で、根気強く向き合うことが大切です。業務システムの構築をベンダーに外注するとなると、社内の詳細なルールを外部の方に正確に伝えるだけでも、膨大なコミュニケーションコストがかかってしまいます。その点、自社の業務を知り尽くした人間が、自分たちの手で柔軟に作り込んでいける「楽楽販売」は、とても理にかなったツールだと感じました。

構築過程は大変ですが、これをやり遂げることで将来どれだけ楽になるかという明確なイメージを持っていれば、必ず形にできます。諦めずに工夫し続けることをお勧めします。

久保田:導入してすぐに魔法のようにすべてが楽になるわけではありません。自分たちの業務フローを見つめ直し、必要なものを一から組み立てていく覚悟は必要です。しかし、一度システムとして完成させてしまえば、これまで費やしていた膨大な時間と労力から解放され、会社の基盤がより強固なものになります。目先の苦労の先にある「圧倒的な効率化」を目指して、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

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