急成長するファクタリング事業の裏側で、増え続ける「紙」の経費処理が限界に
まずは、貴社の事業内容と、お二人の所属する部署の役割について教えてください。
福田:当社は、中小企業のお客様の資金繰りを支援する「ファクタリングサービス」を提供しています。お客様が保有する売掛債権を買い取り、迅速に現金化することで、事業のスピードを止めることなく成長を支援する役割を担っています。
私が所属する資金管理部は、現在7名体制です。一般的な経理業務に加え、資金調達に関する資料提供や銀行・投資家とのやり取り、自社で運営するファンドの管理、さらには管理会計といった経営企画に近い領域まで、非常に幅広い業務を担当しています。
山口:私は主に「楽楽精算」「楽楽請求」の実務全般を担当しています。現場から上がってくる申請をチェックしたり、社員からの問い合わせに対応したりと、日々の精算や支払いが滞りなく、かつ正確に回るよう業務に取り組んでいます。
システムの導入前、具体的にどのような課題を抱えていたのでしょうか。
福田:当時は経費精算、稟議、交通費精算のすべてを紙で運用しており、稟議書に領収書を貼り付けて押印依頼を回すのが当たり前でした。
特に当社は営業に力を入れているため、接待交際費や交通費などの細かい精算が大量に発生します。ちょうど従業員数が100名を超え、新卒社員も一度に30名以上入社するなど、組織が急激に拡大し始めたタイミングでした。
紙で運用していたので、現場の社員から「(立て替えた)お金はまだもらえませんか?」と聞かれても、私たちにも誰のところで申請が滞っているか分からなかったんです。「課長か部長のところで承認が止まっているから、稟議書のボックスを探してきて」と返すしかなく…。余計なコミュニケーションコストがかかっていましたし、 承認ルートのタイムラグによって、精算金の支払いが遅れることも珍しくありませんでした。
山口:過去のデータを探す手間の多さも深刻でしたね。ときどき、顧問税理士から数年前の領収書の照会が入ることがあるのですが、そのたびに倉庫に保管された大量の紙ファイルを手作業で一枚一枚めくって探し出す作業が発生していました。
3つの機能を「楽楽精算」で集約し、小口現金ゼロ&精算のスピードアップを実現
数あるシステムの中から、なぜ「楽楽精算」を選ばれたのでしょうか。
福田: 組織が急拡大する中で、「もはやシステムなしでは回らない」という危機感がありました。同時に、電子帳簿保存法への対応も急務だったため、請求書もゆくゆくは電子化したいと考えていました。
WEBの比較サイトなどで複数のサービスを検討しましたが、最終的に「楽楽精算」に決めた理由は、「経費の支払い」「請求書管理」「ワークフロー」という、私たちが求めていた3つの機能がすべて備わっており、1つのプラットフォームで完結していたからです。社内的にもバックオフィス基盤を強化する方針だったため、導入の承認はスムーズでした。
導入時の設定において、苦労された点もあったとお聞きしました。
福田:正直に言えば、初期設定はかなり苦戦しました。設定項目が多岐にわたり、ひとつひとつの項目がどの実務に紐づいているのか、判断が難しくて…。通常の業務と並行して初期設定を進めなければいけなかったので、作業が停滞してしまった期間もありました。
最終的には、社内の情報システム部門に協力を仰ぎ、ようやく自社の運用に最適な基盤を作り上げることができました。
山口:運用開始後は、現場の営業担当者への浸透にも工夫しました。現場で利用を開始するタイミングで自社での使い方に沿ったマニュアルを作成したほか、各営業部のアシスタントスタッフにまず使い方をマスターしてもらい、「わからないことがあればまず彼女たちに聞く」という体制を構築しました。
これにより、資金管理部に直接問い合わせが殺到するのを防ぎ、スムーズな立ち上がりを実現できたと思います。
「楽楽精算」の導入による成果についてはいかがでしょうか。
福田:一番の成果は、社内から現金管理が完全に消えたことです。以前は週に100万円近い現金を金庫から出し、一人ひとりに手渡ししなければなかったのですが、今はすべて振込精算に一本化しました。小口現金の残高確認や補充といった作業がなくなったことは、管理側にとって嬉しいポイントですね。
山口:現場からも、経費の申請・承認がどこでもできるようになったことで、精算金の受け取りが早くなったと好評です。
「楽楽請求」のFBデータ自動作成機能で、月末の振込作業を劇的に効率化
続いて、「楽楽請求」を導入されたきっかけを教えて下さい。
福田:もともと「楽楽精算」のオプション機能を使って「楽楽精算」上で請求書処理を行っていたのですが、2024年の8月に「楽楽請求」がリリースされるという案内を受け、導入する運びになりました。
「楽楽請求」の導入により、請求書処理フローはどう変わりましたか?
福田:以前はそもそも「承認経路」という概念が希薄で、管理職が受け取った請求書をそのまま資金管理部に手渡し、月末に一括して振り込むというフローでした。これでは誰が何の目的で申請したのか、正しく承認されているのかが不透明になりがちでした。
導入後は、取引先ごとに担当者を設定し、「楽楽請求」上で承認する仕組みに整えました。現場にとっては、今まで手渡しで済んでいたものがシステムへの入力作業に変わったため、かえって工数が増えたという側面もあります。しかし、支払いの経緯を明確にし、あやふやだったルールを適正化できた点はプラスになっていると思います。
具体的な時間削減の効果はありましたか?
福田:「楽楽請求」の導入で一番大きかったのは、FBデータの活用によって、月末の振込工数を削減できたことです。
ファクタリング事業では、契約後すぐにお客様へ送金する必要があるため、その作業はどうしても手作業によるリアルタイムな振込が中心になります。事業の急成長に伴い、この送金件数が月700件から1,200件へと大幅に増加しました。
以前であれば、この本業の送金業務に加え、さらに約200件の経費支払を一件ずつ手入力で行わなければならず、月末は完全にパンク状態でした。しかし、経費支払を「楽楽請求」でデータ化・一括振込にしたことで、そこで浮いたリソースを本業の送金対応に充てることが可能になりました。 結果として、人員を増やすことなく、以前の1.7倍に増えた業務量を今の4名体制で回せています。
山口:管理側としては検索機能がとても役に立っています。金額や取引先名で検索すれば、数秒で目的の領収書や請求書データにアクセスできるので、以前のように手作業で過去のファイルを探す必要がなくなりました。
「最初の山」を越えれば、その先には圧倒的な効率化が待っている
製品への期待や、今後のシステム活用の展望について教えてください。
福田:組織がホールディングス化したことで、グループ会社が複数存在していますが、まだ各社のシステムや申請フローを統一できているわけではありません。今後は組織全体に横串を通し、グループ全体のバックオフィス業務をよりシームレスに管理していきたいと考えています。
山口:請求書処理についても、まだ現場の担当者へ完全に浸透しきっていない部分があるため、より使いやすいフローを検討し、社内の理解を深めていきたいです。機能面では、「楽楽精算」内での返金処理の紐づけ機能など、さらなる進化にも期待しています。
これからシステムの導入を検討される企業様へ、アドバイスをお願いします。
福田:システムを入れることによって、承認の時間を短縮できるという点が一番大きいと思っています。もし今、紙で運用されていたり、Excelなどで独自の管理をされていたりする場合は、それがWEBやスマホからでも承認できるようになる。その「スピードが早くなる」という一点だけでも、システムを導入したいと考えている人間にとっては非常に価値があることだと思います。
山口:実務担当としては、毎日少しずつ作業するだけで、月末月初に偏りがちな業務が少し楽になるのが嬉しいです。導入してから安定して運用できるまでは大変な部分もありましたが、一度入れてしまえば、そのあとは楽になるところが沢山あります。なので、もし迷っているならシステムはどんどん取り入れていった方がいいですよ、とお伝えしたいですね。