宮脇鋼管 株式会社様 「楽楽明細」導入事例 年間350万円のコスト削減を達成、持続可能な高生産組織の実現へ
| 会社名 | 宮脇鋼管 株式会社様 |
|---|---|
| 事業内容 | 鋼管・鋼材の素材販売、鋼管の単純加工・特殊加工、設計支援、鋼構造物製作 |
| スタッフ数 | 176名(令和7年9月現在) |
| 導入時期 | 2019年2月 |
| URL | https://www.miyawakikoukan.com/ |
事業内容
1961年に創業以来、「鋼管加工の総合技術商社」として、多様な鋼管構造物の完成品製作をサポートされている宮脇鋼管株式会社様。 最終製品(どのような用途なのか)からメッキや塗装なども含めた鋼管構造物の完成品へ向けた提案力を強みとし、道路標識や有名電波塔をはじめ、建築鉄骨や防災向け製品といったあらゆるインフラに貢献されています。
今回は、同社社長の宮脇様がもつ「できない人を置き去りにしない」という信念のもと、顧客の95%をデジタル化へ導いた歩みから、成功するDXの「心の持ちよう」について、インタビューさせていただきました。
アナログの限界、現場を蝕む「ミスの恐怖」
「楽楽明細」導入以前、現場ではどのような課題があったのでしょうか。
写真右:株式会社ラクス 楽楽クラウド事業本部 楽楽明細事業統括部 事業統括部長 影林真也
(以下敬称略)
ラクス 影林:鉄鋼業界といえば、受発注のFAXやミルシート(鋼材検査証明書)など、非常に紙の業務が多く、デジタル化が難しい業界というイメージがあります。2019年に「楽楽明細」を導入される以前、現場ではどのような具体的な課題があったのでしょうか。
宮脇鋼管 宮脇:私たちの業界は、一回の取引で発生する明細の数が非常に多いのが特徴です。当時は、納品書を出荷ごとに1日分まとめて郵送するのが当たり前だと思って対応していました。しかし、受注が細かくなると受注明細の紙の枚数が増えるので、印刷して、内容を突き合わせ、三つ折りにして、封筒に詰める、という手作業が膨らんでいきました。
作業時間としては、納品書だけで毎月33時間、請求書発行には毎月7時間以上。単なる作業だけでなく、封入ミスがないか、宛先が間違っていないかという精神的なプレッシャーも相当なものでした。
専用用紙代や郵便代といった直接コストも、年間で見れば無視できない経営課題となっていたのです。
影林:2019年という、比較的早い段階から、経理業務のデジタル化に踏み切られたのはなぜでしょうか。
宮脇:実は、私のデジタルへのこだわりはもっと前から始まっています。私が社長に就任した2006年当時は、いわゆるスマホもまだ販売されていない時代でした。しかし、その頃から「デジタルにできるものは、すべてデジタル化しよう」という方針を掲げてきました。
きっかけは、バックオフィスの生産性に対する危機感です。まず、社内で完結する仕組みとして「楽楽精算」を導入し、小口現金の管理や経費精算のペーパーレス化に成功しました。社内の人間が便利さを実感すれば、次はお客様とのやり取りをデジタル化する土壌ができると考えたのです。その「次の一手」が、帳票発行を自動化する「楽楽明細」でした。
二人三脚で乗り越えた導入の壁
影林:社外が関わる「楽楽明細」の導入は、社内完結のシステムよりもハードルが高かったのではないでしょうか。
宮脇:おっしゃる通りです。一番の懸念は「お客様が受け入れてくれるか」でした。多くの企業がここで立ち止まってしまいます。弊社でも、最初は「お願いしても断られるのではないか」という不安の声が現場から上がっていました。
そこで助けになったのが、ラクスさんの手厚いサポートです。単にシステムを提供するだけでなく、お客様への案内文をどう書けば角が立たないか、あるいは「Webへの切り替えはできない」というお客様の拒否反応に対してどうメリットを伝えるか、といった「断られた時の切り返しノウハウ」を提供してくれました。このような知恵があったからこそ、私たちは自信を持ってお客様に案内することができました。
影林:実際に切り替えを進めてみて、いかがでしたか。
宮脇:最初は50%程度の切り替え率からのスタートでしたが、現在では約95%のお客様がデジタル化に同意してくださっています。今では新規にお取引を始める際、「弊社の請求書はWeb形式です」と最初にお伝えするのがスタンダードになっておりますが、最近はすでに「楽楽明細」で帳票を受け取っているお客様も多いので、特に問題なく受け取っていただいています。
定量・定性で見えた導入効果
影林:導入後、具体的にどのような変化を実感されていますか。
宮脇:定量的な数字で言えば、月間で約40時間の作業時間を削減できました。コスト面でも、郵送代や封筒代、専用用紙代などで毎月約29万円、年間で約350万円もの経費を削減できています。
しかし、数字以上の効果は「働き方の質」が変わったことです。導入直後に新型コロナウイルスの流行がありましたが、クラウド化していたおかげで、経理部門は大きな混乱もなくスムーズにリモートワークへ移行できました。
経費削減を超えた、真のリスク管理投資
影林:協会(大阪鐵鋼流通協会)の会長という立場として、最近はDX推進のセミナーを開催されるなど、業界全体を盛り上げようと非常に精力的に活動されていますね。私たちもシステムベンダーの立場から、具体的な活用事例や最新動向といったコンテンツ制作の部分で一緒に取り組ませていただいております。
宮脇:非常に強く感じているのは、鉄鋼流通業界の素晴らしい歴史と、それを守っていくための変化の必要性です。多くの企業が長く続いており、長年現場を牽引してこられた経営者の方々の情熱がこの業界の基盤です。一方で、そうしたベテラン経営者の方々に、単に「DXで業務効率化を」と説いても、なかなか響かないのが現実です。
影林:「コスト削減」だけではない、経営者の心に響くキーワードが必要だということですね。
宮脇:「郵便代が少し安くなります」とか「導入したら社内の雰囲気が良くなります」といった話だけでは、企業のトップはなかなか動きません。経営者が最も関心があるのは、「コスト」よりもインシデントや資金繰りといった「リスク」です。
特にこの業界は、一社あたりの売上規模が大きく、管理が非常に大変です。膨大な取引の中で、管理が属人化して「行方不明になる売掛金」が発生したり、売掛先の異変を見落としたりすることは、経営を揺るがす最大のリスクです。だからこそ、「そこをデジタルでちゃんと捕捉し続けましょう」という価値こそが、経営者に刺さるのだと思います。
影林:まさに今、弊社が力を入れているのがその領域です。「楽楽明細」も進化しており、これまでの属人的な管理をデジタル化することで、銀行の入金データと請求データを自動で照合し、未回収が発生すれば即座にアラートを出すことが可能になっています。経営者にとっては、キャッシュフローの状況がリアルタイムに可視化されるという大きなメリットがあります。
宮脇:それはいいですよね。こうした「経営の安定化」に直結する価値を提案できれば、保守的な経営層も「それなら話を聞こうか」という気持ちになるはずです。デジタルに明るい次世代の後継者たちが、ベテラン経営者の持つ深い経験や信頼関係を、こうしたデジタルツールで補強していく。その「世代を超えたタッグ」による業界全体の底上げを支援していくことが、協会としての大きなミッションだと考えています。
影林:ありがとうございます。まずは「業務効率化」、次に「経営に直結するリスク管理・債権管理」という2段構えで訴求していこうと思います。
宮脇:セミナーをするなら、それが一番わかりやすいですね。費用対効果はもちろん、売り漏れが防げる、対外的な信用に繋がる、といった「経営判断を助けるメリット」を合わせ技で理解してもらえれば、業界のDXは一気に加速すると確信しています。
人材難の解消、まずは「できる人」から始めるDX
影林:「DXを進めたいが、詳しい人材がいない」という切実な悩みもよく耳にします。
宮脇:「人がいない」という理由であきらめてしまうのはもったいないですよね。最初からプロのプログラマーやIT専門家を雇う必要はないと考えています。弊社の場合も、もともと別の業務を担当していた管理職を担当者として、兼務という形で対応しています。最初は「デジタル化の専門家」である必要もありません。例えば社内で個人的に興味を持って生成AIを使っていたり、パソコンに苦手意識がないような人に、兼務でいいから任せてみるのがいいかと思います。これからはどんな業務もデジタル化していくのは間違いないので、まずは担当者を決めることで、はじめの一歩を踏み出すことが重要です。
DXと生成AIが拓く、次世代の鉄鋼流通
影林:御社では現在、どのようなツールを活用してDXをさらに深めていらっしゃいますか。
宮脇:本社機能はAWSでクラウド化し、グループウェアやチャット、Webマニュアルなどをフル活用しています。特に現場のデジタル化には注力しており、大量の紙の指示書をすべてiPadに置き換えました。情報がリアルタイムに共有され、次工程まで可視化されることで、効率化とミス防止に大きな手応えを感じています。
ただ、やりたいことはまだ山ほどあります。見積もりから受注、出荷、回収まで、業務のすべてをデジタルで「見える化」し、潜んでいるミスや無駄を徹底的に排除していきたいと考えています。
影林:さらなる可視化の先に、どのような未来を描いていますか。
宮脇:当社の情報システム部が目指しているのは、メーカー様とお客様を繋ぐ「受発注プラットフォーム」の構築です。鉄鋼流通業の特約店という立場を活かし、業界全体の効率化に寄与するシステムの外販やECサイト化も視野に入れています。
また日々の業務の中で特に注力したいのは、生成AIの活用です。私自身もChatGPTを有料契約して日々使っていますが、わからないことはスマホで聞けば即座に答えが返ってくる。今や、売上が10億から100億円ほどである我々のような規模の企業でも、生成AIを実務に取り込める時代です。数字の予測や計画、最適値の算出といった高度な分析も生成AIで可能になりつつあります。
将来的には、業界で培ったベテランのノウハウを生成AIに学習させ、新人でもスマホ一つで最適な解を出せるような仕組みを作りたいですね。仕事のやり方を先輩に聞くのではなく、スマホに聞けば解決する。そんなノウハウが循環する未来を目指しています。
影林:非常に具体的なご提案をありがとうございます。最後に、DXの第一歩をどのように踏み出すべきか検討されている経営者の方々へメッセージをお願いします。
一人を置き去りにしない、人に寄り添うITの覚悟
宮脇:当社の情報システム部とも話すのですが、デジタル化への対応は、企業の文化や規模によって大きく二つに分かれると考えています。
一つは、専門部署が検討した仕組みをマニュアルと共に配布し、従業員が自力で習得することを前提とする文化です。ここでは「取り残されるのは個人の責任」とドライに割り切って推進します。そしてもう一つは、新しいものへの拒絶反応が強い従業員に対し、具体例を持って横に付きっきりで教える、いわば「二人三脚」で進める文化です。
正直に申し上げれば、従業員のデジタルアレルギーを完全に「払拭」するのは難しいでしょう。どんなに優れたツールを入れても、使いこなせる人とそうでない人に分かれてしまうのが現実です。だからこそ、何を入れるか以上に「できない人へどうアプローチするか」が要になります。
影林:現場のリアリティに即した、非常に重要な視点ですね。
宮脇:当社の情報システム部が常に心がけているのは、従業員が何も考えず、順番に流れるように作業するだけで、いつの間にか業務が簡単になっている、という状態を作ることです。今回の「楽楽明細」は、効果が見えやすいバックオフィスDXとして最初の一歩に最適でした。ラクスさんは「あとはよろしく」と突き放さず、初期設定から現場の細かな質問までずっと併走してくれたのが大きかったですね。担当者も「何度も聞きに行ったが、その都度しっかり回答をもらえた」と話しています。導入して終わりではなく、今まで以上の快適さを自然に享受できるよう「人に寄り添ってツールを提供する」ことが重要と考えています。
デジタルで空いた時間を、より付加価値の高い仕事やお客様との対話に充てるためにも、まずはこの「できない人を置き去りにしないアプローチ」から始めてみてはいかがでしょうか。その地道な積み重ねが、大きな変革につながるのだと信じています。
影林:経営の現場と情報システム部門の連携から生まれる、重みのあるお言葉をありがとうございました。弊社もより「寄り添える」システム提案を目指してまいります。本日はありがとうございました。
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