9年間手つかずだった購買のアナログ管理を、「楽楽クラウド」で一新
医薬品原薬の製造を担うアルフレッサファインケミカル株式会社では、購買業務における紙運用からの脱却を目指し、「楽楽販売」「楽楽請求」「楽楽明細」を導入。新たに「楽楽電子保存」の利用も開始し、納品書のペーパーレス化にも取り組み始めています。
かつてはシステム化が頓挫し、9年近くもアナログな運用が続いていたという同社。新しい取り組みには慎重な社風の中、楽楽クラウドシリーズの導入によってどのように業務を変革したのか。プロジェクトを牽引した皆様(以下、敬称略)に、導入の経緯から現在の運用、今後の展望までを伺いました。
- 会社名
- アルフレッサ ファインケミカル株式会社
- 業種
- 製造業(医薬品原薬の製造)
- 従業員数
- 154名(2025年4月1日時点)
- 導入サービス
- 「楽楽販売」「楽楽請求」「楽楽明細」「楽楽電子保存」
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課題
- 購買業務における依頼書発行のために、毎月約1,000枚もの紙が発生していた
- 紙とFAXによる運用のため、申請から発注までのステータスが見えず、確認のための問い合わせが都度発生していた
- 紙の請求書・購入依頼をもとに会計システムへ手入力しており、工数とミスのリスクが課題だった
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効果
- 紙の購入依頼書の発行を毎月約1,000枚削減
- 「楽楽販売」上で申請〜発注〜請求のステータスをリアルタイムに可視化し、担当者への問い合わせが減少
- CSV出力による一括取込みで、会計システムへの入力時間を月60時間程度削減
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紙とFAXが基本だった購買業務における、DXへの挑戦
まずは、貴社の事業内容について教えてください。
庄司:当社は医薬品の原薬製造を手がける会社で、アルフレッサグループに加わったのは10年ほど前になります。アルフレッサグループというと医薬品卸売のイメージを持たれる方が多いのですが、私どもは製造事業を担い、グループでは研究から卸売、薬局への供給まで、幅広い領域に携わっているのが特長です。
保坂(将):バックオフィスは、管理部の中の「ビジネスシステム課」が担当しています。経理業務とITシステム運用、DXに関わる業務を中心に行っており、現在は私を含め4名という少数体制です。これは組織改編により2026年4月に発足したビジネスシステム課の体制で、「楽楽販売」や「楽楽請求」の導入を進めていた当時は「総務経理課」という8名体制の組織で、経理・会計業務に加えて予算管理や購買業務、総務業務までを幅広く担っていました。
システムの導入前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
庄司:「楽楽販売」を導入する前は、各現場の担当者が購入したいものをExcelに入力し、印刷後捺印して上長の承認印を取り、購買部門で確認後、取引先にFAXで送るという運用でした。実は、アルフレッサグループに入る前は購買管理にシステムを利用していた時期があったのですが、グループに参入したタイミングで使えなくなってしまったんです。それでも購買業務自体は止められないため、再導入を検討しながらも結局は手つかずのまま、9年近くが経過してしまいました。
一度は地元のシステム会社と打ち合わせを行ったこともあったのですが、結局は当時の紙ベースのフローをそのままシステムに置き換えるだけの提案になってしまい、業務自体は何も変わらないという状況で、話はなかなか進みませんでした。こうした中、2022年頃から全社的なDXの機運が高まり、システム化に本腰を入れて取り組むことになりました。
実はちょうどこの前後、私は管理部で人事も兼務しておりまして、ある若手社員の昇級昇格試験の面接で「この会社に期待していることはありますか」と尋ねたところ、「今進めようとしている購入のシステム化に期待しています」という答えが返ってきたことがあったんです。現場を巻き込む大変さはありましたが、社内でこれだけ期待されている取り組みなのだと実感できたエピソードで、印象に残っています。
シリーズで揃う将来性とカスタマイズ性を評価
数あるサービスの中で「楽楽クラウド」を選ばれた決め手を教えてください。
菅原:当初は地元業者とのスクラッチ開発に近い形で話が決まりかけていたのですが、その比較検討の中でラクスにもご相談したところ、「楽楽販売」や「楽楽請求」といった複数の製品がシリーズで揃っていることが分かりました。同じシリーズで統一したほうが将来的なメリットが大きいと判断し、最終的に「楽楽クラウド」の導入を決定しました。
当社の業務フローは複雑なので、他社のパッケージシステムでは構築が難しいと感じていました。また、スクラッチ開発は自由度こそ高いものの、開発に時間がかかるうえ、将来的な変更のたびに都度依頼が必要になるという懸念があり…。その点、自社のフローに沿ったシステムを柔軟に構築でき、運用を開始した後でも柔軟に変更しやすい「楽楽販売」が自社にマッチしていると感じたことも、決め手になったと思います。
地道な準備と手厚いサポートで乗り越えた、定着までの道のり
構築から運用開始までにどんな苦労がありましたか。
菅原:通常業務をこなしながら導入スケジュールも進める必要があったのは大変でした。社内向けの導入説明会の日程が決まった際は、「それまでにシステムを完成させなければならない」という期限が明確になったことで、肉体的にも精神的にもプレッシャーが大きかったです。
保坂(恵):私は主にマスタの作成を担当していましたが、自分の課と別の課のマスタ作成を並行して行わなければならず、なかなかのボリュームでした。マスタは項目を一つひとつ積み上げていく作業で、全体が組み上がるまでは正しく機能するのか、どこまで進んでいるのかが実感しづらくて…。完成した瞬間の喜びだけを支えに取り組んでいた記憶があります。
導入時のラクスのサポートはいかがでしたか。
菅原:構築にあたっては、ラクスのサポート担当の方に週2〜3回のペースでご対応いただきました。単発の対応で終わらせず、密なコミュニケーションを重ねてくださったからこそ、安心して構築を進められたと思います。協力がなければ実現できなかった場面が多々ありました。
社内への浸透に向けて、工夫された点はありますか。
庄司:当社は、新しい取り組みに対して慎重になりがちな文化があります。これまでであれば「導入したのだから、まず使いましょう」という進め方が多かったのですが、それでは会社全体に負担がかかってしまいます。そこで、正式な説明会の前に2回ほど事前の説明会を実施するなど、一気に浸透させるのではなく段階的に進める工夫をしました。
紙の購入依頼書を月間約1,000枚削減。会計処理の入力時間は月60時間短縮
導入後、具体的にどのような効果がありましたか。
菅原:これまでは紙で個別に管理していたため、申請が購買担当者まで届いているか、発注済みかといった状況が全く見えませんでした。現在は全社的に「楽楽販売」を活用しており、システム上で全ての状況を可視化できています。業務フローが標準化されたことで、購買担当者への問い合わせも減りました。
また、以前は購入依頼のたびに商品1点ごとに紙を1枚発行していましたが、紙の使用量も大きく減りました。月間で依頼件数としては300〜400件、枚数としては少なくとも1,000枚程度は削減できていると思います。
保坂(将):会計処理についても、以前は紙運用のため会計システムへの手入力が必要でしたが、現在は「楽楽販売」でCSVファイルを出力して一括取込みができるようになり、入力時間で月あたり60時間程度の削減効果が出ています。購買の担当者にかかっていた人件費という面でも、一定のコスト削減につながっています。
複数サービスをどのように連携させているのでしょうか。
菅原:まず「楽楽販売」で注文書を発行し、その注文書を「楽楽明細」に連携して仕入先へ発注します。仕入先が発行した請求書は「楽楽請求」で受け取り、電子データとしてCSV出力したうえで「楽楽販売」上に支払データを作成し、会計システムへ取り込む、という流れです。まだ構築途中の部分もあるのですが、一連の購買・支払業務がシステム上で完結するようになりました。
また、納品書は仕入先が物品を持参する際に紙で受け取ることが多く、これまでは紙保管が避けられませんでした。新たに「楽楽電子保存」を導入したことで、その納品書も電子化し、法対応をしながら完全ペーパーレス化を進めています。
各サービスについて、良いと感じている点を教えてください。
菅原:「楽楽販売」はカスタマイズ性の高さから、現場の要望をすぐに反映できる点が良いと感じています。たとえば購入依頼書の「納入希望日」の入力について、日付形式だけでなく「至急」といったテキストでも入力したいという現場要望を受け、すぐに修正できた事例があります。ほかにも、入力間違いの多い箇所には注意を促すメッセージを表示するなど、柔軟な対応ができています。
「楽楽請求」は、紙運用ではどうしても検索性が悪くなるところ、必要なデータをすぐに検索・確認できる点がメリットです。
組織改編対応や在庫・資産管理への水平展開が今後のテーマ
今後のシステム活用における課題や展望について教えてください。
菅原:今年4月に組織改編があった際、所属の切り替えと異動前の履歴データの保持を両立させることの難しさが課題として見えてきました。回避策としてメンテナンス時間を設けて一時的にユーザーを停止する方法もありますが、根本的な対応はまだできていません。商品マスタについても当初設定したままで、現場からはマスタを増やしてほしいという要望をいただいているので、少しずつ対応していきたいですね。
保坂(将):今回実現できたのは、購買業務のごく一部に過ぎません。今後は大型の設備予算取得や修繕業務など、まだ紙やExcelでの管理が残っている領域への水平展開を図っていきたいと考えています。在庫管理や資産管理についても、今回のワークフロー構築の考え方はミス防止の観点から非常に有効だと感じており、この成功事例を全社的に広げていきたいです。
これから導入を検討される企業へのメッセージをお願いします。
菅原:営業担当の方から「Excelが使える方であれば構築できます」と伺っていましたが、実際にはそれなりの覚悟が必要だというのが正直なところです(笑)。「楽楽販売」はカスタマイズ性が高い分、設定する範囲も広くなります。ただ、専任の担当者の方が非常に手厚くサポートしてくださるので、その点は安心して進めていただけると思います。
保坂(恵):マスタ整備のような地道な作業は、成果が見えにくく心が折れそうになる瞬間もあると思います。ただ、伴走してくれるサポート担当がいれば、気負わずに楽しみながら進められるはずです。
庄司:導入後は業務効率化の効果が得られる一方で、全社に浸透する過程では、どうしても問い合わせが特定の担当者に集中しがちです。当社でも、その負担が菅原に偏ってしまった時期がありました。導入を進める際は、担当者一人に負荷が集中しないよう、体制やケアもあらかじめ考えておくことをおすすめします。