グループ内11社・4,000名超のバックオフィス共通基盤を構築。
マスタの一元化と口コミで広がった「楽楽精算」がもたらしたDXの舞台裏

”映像”に関するサービスや製品を、エンタテインメント分野から産業分野まで、グローバルにワンストップでお届けする株式会社IMAGICA GROUP。同社は、ホールディングス体制への移行に伴い、グループ経営における「情報の分断」と、各社でばらつきのあるバックオフィス業務という課題に直面していました。

外部データ取得の重複コスト、取引先マスタの不統一、そして電子帳簿保存法への対応の遅れ。これらの壁を「楽楽クラウド」でどのように乗り越え、グループ内の11社・4,000名を超える共通基盤を築き上げたのかを、ICT部の南之園様と木原様(以下、敬称略)に伺いました。

株式会社IMAGICA GROUP
会社名
株式会社IMAGICA GROUP
業種
サービス業
従業員数
4,293名(1,253名)(2026年3月31日現在)
※従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は()内に外数で記載しております。
導入サービス
「楽楽精算」「楽楽販売」「楽楽電子保存」
  • 課題

    • ホールディングス化に伴い、グループ各社が個別に外部信用情報を取得しており、費用と手間が重複していた
    • グループ共通の会計システム導入にあたり、各社でばらばらだった取引先マスタの統一と、経費精算業務の標準化が必要だった
    • 電子帳簿保存法への対応が遅れており、多様な国税関係書類の電子化対応が急務だった
  • 効果

    • 「楽楽販売」に取引先の共通マスタを構築したことで、与信情報を集約し、グループ内の重複コストを解消
    • 「楽楽精算」グループ内の11社へ横展開したことで、経理業務の標準化と処理スピード向上を実現
    • 「楽楽電子保存」の導入により、多様な国税関係書類の電子化と、電子帳簿保存法への迅速な対応を達成
お話を伺った方
  • ICT部部長 南之園剛 様
  • ICT部 ICT推進グループ 木原亜紀子 様

グループ経営を阻んでいた「情報の分断」

まずは、貴社の事業内容と、お二人の「楽楽クラウド」に関する役割について教えてください。

南之園:当社は、映像の企画・制作から流通、配信、最先端の映像技術開発にいたるまで、映像を軸に、多様な事業を展開するグループの持株会社です。私は情報システムを管轄するICT部の部長を務めております。「楽楽クラウド」に関しては、主に「楽楽精算」の承認者としてシステムを利用しています。

株式会社IMAGICA GROUP 様

木原:私は同じくICT部のICT推進グループに所属しています。現在グループ内の主要11社で「楽楽クラウド」を利用していますが、私はその中でも「楽楽精算」と「楽楽販売」について、グループ内企業への導入フォローや日々のメンテナンス、各社をつなぐハブとしての調整役を担当しています。「楽楽電子保存」については、導入フェーズに深く携わりました。

「楽楽販売」の導入前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

南之園:グループ経営を進める上で避けて通れない「情報の分断」が大きな壁でした。当時はホールディングス体制への移行に伴い、グループ全体の最適化を急いでいた時期でしたが、足元のバックオフィス業務には非効率な領域がまだ多く残されていたんです。

木原:象徴的だったのが、外部からの信用情報の取得プロセスです。ホールディングス化した際、各事業会社がそれぞれ個別に同じ企業のデータを取得していたため、グループ内でコストと手間が重複していました。
また、並行して進んでいたグループ共通の会計システム導入プロジェクトでは、「取引先マスタの不統一」が大きな障壁になりました。どのグループ会社が、どの取引先とどのような取引をしているのかが一元管理されておらず、情報の確認だけで多くの時間を費やしていたんです。

「楽楽販売」に取引先の共通マスタを構築。与信情報の重複コストを解消

そこから、システム選定・導入はどのように進んでいったのでしょうか。

南之園:始まりは「楽楽販売」(当時の名称は「働くDB」)でした。与信管理の重複を解消し、情報を共有できないか——そんな思いから、ラクスの営業担当の方に相談したことがあったんです。 営業担当の方からの提案を受けて、グループ各社からの信用情報取得の依頼を1カ所に集約し、取得したデータを「楽楽販売」にアップロードしてグループ内で閲覧できる仕組みを整えました。これが共通基盤づくりの第一歩であり、ラクスとの長年にわたるパートナーシップの始まりでもあります。 その後、グループ共通の会計システム導入のタイミングで、「楽楽販売」に取引先マスタの統一データを持たせ、信用情報をベースに各社が申請・検索できる、取引先共通マスタとしての活用へと役割を進化させていきました。「楽楽販売」の用途として一般的な販売管理・在庫管理というよりは、取引先管理の申請システムとして活用している形です。

現場の“口コミ”で「楽楽精算」の利用がグループ内の11社へ拡大

「楽楽精算」は、グループ内の11社で活用されているそうですね。ここまで広がった経緯を教えてください。

南之園::もともとは、旧IMAGICA(現在のIMAGICAエンタテインメントメディアサービスとIMAGICA Lab.)が先行して個別に「楽楽精算」を導入していました。その後、グループ全体の経理機能を1つの部署に集約するタイミングがあり、その実務担当者の間で「楽楽精算は使いやすい」という声が自然と上がりました。ICT部から「これを使いなさい」と強制したことは一切なく、現場の“リアルな口コミ”が呼び水となって、他のグループ会社へも自然と導入が広がっていきました。
実は、持株会社であるIMAGICA GROUPが導入したのは2021年頃と、グループの中ではかなり遅い方だったんです。それまではグループ共通の会計システムに含まれる経費精算機能をそのまま利用していました。ただ、経理側から「グループ社と同じものを使いたい」という声が上がり、導入に至った経緯があります。

木原:私たちの場合はシステムの移管のみで、ユーザー教育のようなプロセスが不要だったため、比較的スムーズに導入できました。すでにグループ内で運用実績があったからこその利点だったと思います。

グループ展開において、ICT部はどのような役割を担ったのでしょうか。

木原:私たちICT部が「ハブ」の役割を担いました。会計システムが共通化しているため連携設定など、専門知識が必要なコアな部分はICT部が一括して引き受け、各社固有のマスタ設定などはそれぞれの経理担当者に委ねる、という明確な役割分担を行っています。この運用ルールを作ったことで、心理的なハードルなくスムーズに横展開していくことができました。

電帳法対応のために「楽楽電子保存」を導入。きっかけは個人利用での経験

「楽楽電子保存」の導入は、どのようなきっかけだったのでしょうか。

木原:電子帳簿保存法への対応期日が迫る中、経理部門から「対応が遅れている」という相談を受けたことがきっかけです。実はその少し前から、私自身は個人の業務で「楽楽電子保存」の無償版を利用していました。「楽楽明細」で請求書を受け取る際に無償版で使えるとご案内いただき、複数社からの請求書をまとめて1か所で管理していたんです。
その経験があったからこそ、経理から相談を受けた際に「『楽楽明細』から届いた請求書も、設定さえ入れれば自動的に取り込まれるので使えるのでは」とすぐに提案でき、有料版の導入につながりました。価格面でもライトプランから始められた点は、導入のハードルを下げてくれたと思います。

現在はどのような書類を格納しているのでしょうか。

木原:請求書だけでなく、注文書や見積書も保管しています。見積書は受け取ったものだけでなく、こちらから発行したものも含めてです。現在は電子契約システムも別途導入しているため、そちらでカバーできない書類を「楽楽電子保存」に集約する、というルールで運用しています。

紙からの脱却には根気強い説明が重要。ラクスの手厚いフォローが後押しに

導入にあたって、特に大変だったことや苦労された点はありましたか。

株式会社IMAGICA GROUP 様

南之園:経理部門については、他のグループ会社ですでに「楽楽精算」の導入実績があったため設定もスムーズで、心理的な抵抗感はほとんどありませんでした。一方で、当時担当していた事業会社での導入では、実際に申請を行う営業現場など一般社員にとっては、紙ベースの従来のやり方から大きく変わるため、導入初期には多少の困惑や反発もありましたね。

これに対しては、なぜ今このやり方を変える必要があるのか、社会全体のペーパーレス化・デジタル化の流れも含めて、根気強く丁寧に説明を続けました。一度使い始めてしまえば、便利さに気づくのは早かったです。今では「楽楽精算なしの業務は考えられない」と話す社員もいるほどです。

導入後の運用やメンテナンスにおいて、ラクスのサポート体制はいかがでしたか。

株式会社IMAGICA GROUP 様

木原:導入時から現在まで手厚くフォローしていただいており、非常に助かっています。特に印象的だったのは、システムのバージョンアップの際に、グループ全社を対象とした「オンライン説明会」を開いていただけたことです。日々の業務に追われる中では、メールやマニュアルだけでは変更点を見落としがちですが、実務に即して直接説明いただけたことで、スムーズに現場への反映まで進めることができました。

この手厚いサポートの評判は、まだ導入していない他のグループ会社にも良い噂として伝わっていて、「『楽楽クラウド』のサポートは安心できる」「自社でも早く導入したい」という前向きな関心を引き出すきっかけにもなっています。

「共通化」と「現場主導」のバランスが、グループ全体でのDXを成功に導く

「楽楽クラウド」への期待や、今後のシステム活用の展望について教えてください。

南之園:「楽楽販売」については、過去に他のグループ会社で導入を試みたものの、業務要件との兼ね合いで運用の定着を見送った経験もありました。現在はテンプレート化が進み選定のハードルは下がってきているかもしれません。

木原:受け取り請求書への対応については、「楽楽精算」へのさらにシームレスなデータ連携やUIの進化を期待しています。当社の場合、受け取り請求書の件数自体はそれほど多くないため、「楽楽精算」に標準搭載されている支払い依頼機能がよりリッチになれば、バックオフィス全体の効率化がさらに進むと考えています。

最後に、これからグループ横断でのシステム共通化を検討する企業様へ、アドバイスをお願いします。

木原:設定がある程度定型化されている「楽楽精算」は、現場に定着させやすいシステムです。一方、自社の業務プロセスに合わせて柔軟に構築できる「楽楽販売」のようなシステムでは、自社の業務プロセスやIT体制の“身の丈”に合っているかを見極めることが、成功の分かれ目になると感じています。ITの専門部隊がいない小規模な組織であれば、最初から高度な自動処理や複雑なカスタマイズを目指すのではなく、まずは自社の体制で無理なく運用できる範囲からスタートすることをおすすめします。

南之園:大切なのは、「どこまでをICT部(本部)側で共通化し、どこから先を各社の実務に委ねるか」という境界線を明確にすることです。そして、実務担当者が直感的に使えるシンプルな設計を徹底すること。まずはスモールスタートで構築し、現場の習熟度に合わせて段階的に適用範囲を広げていくアプローチこそが、バックオフィス全体のデジタル化を無理なく、確実に成功させる最善の方法だと思います。

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