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自治体における旅費精算業務のDX事例

法改正を「変革の好機」として取り組む自治体の旅費精算DX
―現場を縛るアナログ運用から脱却を実現したプロセスとは

今治市 様

愛媛県北東部に位置する今治市は、日本最大の海事都市として知られ、豊かな自然と産業が調和する自治体です。「今治市デジタル未来戦略」を策定し、デジタル技術を活用した住民サービスの向上や行政運営の効率化を推進しています。
今回、旅費法改正への対応をきっかけに、「楽楽精算」の導入プロジェクトを始動し、実費精算の運用開始と職員の業務負担軽減を実現された旭様、越智様、飯泉様にお話を伺いました。

会社名 今治市
事業内容 地方公共団体
従業員数 1,307名(2025年4月1日現在)
導入時期 2025年8月
URL https://www.city.imabari.ehime.jp/
  • 課題

    • 金額の手計算や確認、修正などを目視で行うアナログ業務が残っており、旅費の審査業務に多くの時間を費やしていた
    • 従来のシステムでは、「国家公務員等の旅費に関する法律」の改正により実費精算へ移行ができない状況だった
  • 決め手

    • 直感的に操作でき、申請者と審査側の双方の作業負担を減らせる利便性を重視
    • 自治体の業務や慣習を深く理解し、運用変更後も「楽楽精算」なら実現できると安心できる寄り添った提案
  • 効果

    • 手当の自動計算、申請ルールチェック機能により審査業務が年間約150時間削減見込み
    • 段階的な条例改正とシステム導入による、実費精算の運用開始を現場の混乱なく実現

外部環境への変化による、「今の運用から変わらなければ」の危機感

「楽楽精算」の導入を検討される前、旅費精算業務においてどのような課題や懸念を抱かれていたのでしょうか?

今治市の人事課では、職員の旅費管理を担当しています。これまでは、既存の旅費管理システムを使って運用していましたが、以前から旅費の事前申請審査には、アナログな部分が多くありました。職員が入力した内容を私たちがひとつひとつ目を通し、金額の手計算やその確認、必要に応じて修正するなど、業務に多くの時間を費やしていました。

そのような中で、検討のきっかけとなった「国家公務員等の旅費に関する法律」の改正が起こりました。これまで今治市で対応していた事前の概算払いから事後の実費精算になると、より精緻な証憑確認を行う必要があります。「今の運用のままでは法改正に対応しきれず、業務負荷は確実に限界を超えてしまう」という強い危機感がありました。そこで従来の業務負荷の削減と、法改正後の業務増大を未然に防ぐ必要があると判断し、私たち総務部人事課をはじめ、未来デジタル課と出納室の3組織で、旅費精算特化の新たなシステムの導入を検討し始めました。

条例改正と予算要求、自治体特有の壁にどう取り組んだか

導入プロジェクトにおいては、どのようなハードルがありましたか?

本プロジェクトでは大きく2つの障壁があったと振り返ります。一つは予算確保、もう一つは並行して行った条例改正とそれに伴う業務変更です。まず私たちは「旅費法改正に伴う運用変更」という外部環境の後押しのもと、新たなシステム導入の効果検証と予算要求を進めました。予算要求にあたっては、まずシステム導入による費用対効果を整理し、特に業務効率化による削減効果や、証憑確認の高度化に伴う内部統制強化といった観点から、導入の妥当性を説明する必要があります。

効果検証をもとに予算要求を行いましたが、これまでの運用でも業務が回っていたことから、予算担当部局に新たなシステム導入へ理解を示してもらうのは大変な道のりでした。最終的には、効果検証の結果と法改正後の業務増大を踏まえ、執行部からも進めるべきだと後押しがあり、予算取得に至ることができました。

また、「今治市職員の旅費に関する条例」の改正については、新システム導入の前後で二段階に分けて実施しました。まず、旅費法改正への対応を進める必要がある一方で、現行の旅費管理システムでは実費精算に対応できなかったことから、国の旅費法に準拠した内容の一部について先行して条例改正を行いました。その後、新システムの運用開始に伴い、実費精算に対応するための条例改正を行い、段階的に制度整備を進めました。

現場の混乱を防ぐ、スムーズな運用開始と定着までの道のり

最終的に、「楽楽精算」に決められた理由はどのような点だったのでしょうか?

今回「楽楽精算」の導入に至るまでは、公募型プロポーザル方式で複数のシステムを検討しました。提案を受ける中で、実費精算への運用変更に適切に対応できる点はもちろん、国内の自治体業務に即した利便性を重視しました。例えば職員の中には、産業や地域振興に携わる出張の多い者もいれば、年に2、3回しか出張がない者もいます。出張が少なく、システムをそれほど理解していない職員も直感的に操作できるシステムであれば、申請者も、審査業務をする私たちも作業負担を減らすことができると考えたからです。

ラクスの営業担当の方には今治市の業務や慣習を深く理解していただき、「楽楽精算」ではどう実現できるか、寄り添った提案をいただけた点が決定につながったと思います。 導入が決定した後の契約の取り交わしでも、私たちへの「寄り添い」に大変感謝しています。月額費用のクラウド型サービスとの契約であったため、自治体特有の契約事情に伴う要望に対しても、営業担当の方に柔軟に調整やご相談に乗っていただき、導入まで至ることができました。

新しいシステムの導入には現場の混乱も予想されますが、運用開始まではどのように組織への定着を図られたのでしょうか?

今治市には約1,300名の職員がおり、業務上旅費精算が多い職員、そうではない職員も「楽楽精算」を触ることになります。まず周知については「楽楽精算」のサポート担当の方に入ってもらい、各課の庶務担当を対象とした説明会を実施しました。実際の画面を見せながら操作や実費精算の方法をレクチャーし、全職員へ波及していきました。

導入初期には操作の問い合わせが予想されたため、実際の運用開始前に1ヶ月間の試験運用を行い、従来のシステムと一緒に触ってもらう期間を設けました。試験運用中に申請者から出た質問へは、FAQを充実させることで実運用では混乱しないように整備しました。実は以前、他のシステムでアップデートがあった際に、事前の操作説明のみで本運用を開始したことで、問い合わせが急増してしまったことがありました。当時の経験を元に、本稼働前に申請者がシステムに慣れる段階を踏んで進めたことが、大きな混乱やクレームなく定着させられた要因だったと思います。

導入が決定してから実際の運用開始までの約半年間、「設定代行サービス」のサポート担当の方には毎週ミーティングに入ってもらって、細かい設定など今治市に合う運用を一緒に形にしていただきました。 長いプロジェクトの期間中、通常業務にプラスオンの稼働だったので業務負荷もありましたが、担当の方の伴走があって、運用をスタートさせることができました。

アナログ運用から脱し、年間約150時間の審査業務が削減見込みに

運用開始後、具体的にどのような効果を実感されていますか?

まずは私たちが手作業で行っていた審査業務が大きく短縮されました。計算してみると全体で年間約150時間もの削減が見込めています。以前は申請者が検索サイトを元に経路や金額を入力していたため、誤った申請が発生しやすい状況でした。運用開始後は乗換案内やAI Travelの自動連携の活用に加え、手当の自動計算や申請ルールチェック機能により、誤った申請があがりにくい仕組みとなったことで、審査業務の削減につながっています。精算業務についても、業務負担を最小限に抑えながら高い精度で証憑確認ができるようになり、スムーズに実費精算への移行ができました。

これまでは直接の問い合わせが数多く発生しており、対応に多くの工数を割いていました。問い合わせ対応はその時の業務の手を止めなければならず、かかった時間以上の負担を感じていました。審査業務に加え、申請者が自己解決できるようになったことで問い合わせが減ったことも、今回の導入の成果ですね。

申請する職員がわざわざルールブックを読まなくても、「楽楽精算」に入力していけばルールに沿った申請ができるので、私たちだけでなく申請者全体の業務改善につながったことに非常に満足しています。

「楽楽精算」を起点に、更なるスマート自治体の実現へ

今回のプロジェクトを振り返って、今後取り組まれたいこと、実現したいことはありますか?

直近では、実際に運用をスタートさせて、いくつか事前には想定できていなかった旅費精算のパターンがでてきました。複雑で対応が難しい旅費精算に対しても、できる限り従来の手作業を介さずにシステム上で完結できるよう、サポート担当の方とよりシステムのアップデートをしていきたいです。

今回のプロジェクトを通じて、「システム活用のメリット」を体感しました。今後は、これに続き、周辺のバックオフィス業務のDX化にも着手していければと考えています。今後も、外部環境への変化に柔軟に対応するのはもちろん、これまでの業務を見直す一つのきっかけにしていきたいですね。私たちの事例が、同様の課題を抱える自治体の皆さまにとって、業務変革を進めるためのヒントになれば幸いです。

市民生活の多様化や環境変化により市役所職員の業務量も増加しています。今回の導入プロジェクトは、私たちのみならず多くの職員の省力化につながり、本来の業務に時間を費やせるようになったと実感しています。他の業務領域でもスマート自治体の実現に向け、DX化、省力化を進め、さらなる住民サービスや都市機能の向上につなげていきたいです。

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「楽楽精算」は、株式会社ラクスの登録商標です。

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なお、補助金の交付を受けるには所定の要件を満たす必要があります。

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