出張日当(出張手当)の相場は?非課税になる条件も解説
国内出張における出張日当の相場は、2,000〜3,000円程度とされています。精算時は、システムを活用して自動計算すれば、スムーズに対応できます。
本記事で、出張日当の相場や支給時に非課税扱いにするためのポイントを押さえておきましょう。
この記事の目次
そもそも出張日当(出張手当)とは
出張日当(出張手当)とは、従業員が出張する際に発生する雑費などを補填することを主な目的として、基本給とは別に支給されるお金のことです。「日当」とは、基本給とは別に1日単位で支給される手当を指します。
一方、出張費は出張した際にかかる費用全般のことです。そのため、出張日当は出張費の一部に該当します。
なお、出張日当や出張手当は、実費精算の交通費や宿泊費とは異なり、一定のルールに基づいて定額で支給されることが一般的です。
出張日当の相場
出張日当の額は、企業によって異なります。そこで、財務省が2023年8月に実施した「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書」※を参考にして、国内出張のケースと海外出張のケースにおける出張手当の相場を押さえておきましょう。
※調査対象者:旅費規程等を有する民間企業(上場企業)
国内出張のケース
財務省の「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書」によると、国内出張における日当の平均額は「2,621円」(最低額:1,780円、最高額:3,786円)でした。そのため、2,000〜3,000円が出張日当の相場といえるでしょう。
なお、日当額について、「往復行程(距離)により判断している」と回答した企業の割合が49.4%で最も高く、次に「宿泊の有無により判断している」の44.8%が続いています。
海外出張のケース
財務省の同報告書によると、海外出張における日当の平均額は「5,441円」(最低額:4,256円、最高額:7,041円)でした。平均額から、5,000〜6,000円が海外出張における出張日当の相場と判断できるでしょう。
なお、国内出張の場合も海外出張の場合も、「日当を支給しない」と回答している企業も1割程度あります。
参考:財務省「旅費等実態調査(民間企業の旅費規程等に関する実態調査)」
出張日当を非課税扱いにするためのポイント
「通常必要とされる費用の支出に充てられる」場合に、出張日当を原則として非課税で従業員に対して支給できます。そこで、「通常必要とされる費用の支出に充てられる」として認められるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 不公平感のない金額を設定する
- 出張旅費規程を作成しておく
それぞれについて、詳しく解説します。
不公平感のない金額を設定する
出張日当を非課税扱いにするには、不公平のない金額を設定することがポイントです。国税庁の法令解釈通達(法第9条《非課税所得》関係9-3)によると、「通常必要とされる費用の支出」と判断されるには、役員と従業員の間や従業員同士で支給額の計算方法に偏りがないようにしなければなりません。
また、同通達には、支給額が同業他社や同規模の企業と比較して相当であることも判断基準として定められています。そのため、他の企業の出張手当を参考にしつつ支給額の水準を決めることも重要です。
参考:国税庁「法第9条《非課税所得》関係 〔旅費(第4号関係)〕」
出張旅費規程を作成しておく
出張日当を非課税扱いにするために、出張旅費規程も作成しておきましょう。出張旅費規程とは、従業員が出張した際の旅費精算に関する決まりのことです。
出張旅費規程に記載されたルールに従って出張手当を計算することで、税務署などに恣意的な支給や計算と判断されるリスクを軽減できます。関連して、従業員に誤解を与えないようにすることや、担当者によって計算方法が出張手当の計算結果に違いが生じないようにすることも、出張旅費規程の役割です。
出張日当の額を決める方法
出張日当の額を決める主な方法のひとつが、「移動距離を基に判断する方法」です。移動距離が長いほど拘束される時間も長くなるため、出張日当を高く設定します。関連して、移動時間に基づいて出張日当を決めるケースもあるでしょう。
また、出張時に滞在する宿のプランに応じて、出張日当の額を変えることもあります。たとえば、宿泊先のプランに食事が含まれていない場合は、食事代を考慮した日当を設定することがポイントです。
さらに、役職に応じて出張日当の額を変えるケースもあります。
出張旅費規程に盛り込む内容
出張旅費規程に盛り込む内容は主に以下のとおりです。
- 定義
- 限度額
- 計算方法
ここから、各項目について解説します。
定義
出張旅費規程には、定義を盛り込みます。
規程には、何を基準として「出張」と判断するのかを記載しましょう。「勤務地を起点とし、目的地まで片道○km以上の移動を伴うものを出張とみなす」のように、移動距離を基準に出張を定義することが一般的です。
関連して、出張手当の対象者も記載します。公平性を保つため、全従業員を対象とすることが原則です。
そのほか、出張旅費規程を制定する目的や、出張旅費の種類も定めておきましょう。出張旅費の種類として、出張日当以外に交通費や宿泊費などがあります。
限度額
出張で宿泊を伴うケースも想定し、宿泊費の限度額を決めておきましょう。宿泊費の限度額は、「代表取締役」「役員(例:専務取締役・常務取締役)」「管理職(例:部長・次長・課長)」「係長・主任」「一般職」など、役職に応じて決めることが一般的です。
なお、財務省の「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書」によると、国内における宿泊料は「上限付き実費支給」と回答している企業の割合が最も高く(43.7%)、「定額支給」(28.9%)、「実費支給」(24.0%)と続いています。また、「上限付き実費支給」している企業の平均支給額は11,304円でした。
参考:財務省「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書」
計算方法
出張旅費規程には、出張日当の計算方法も記載します。
役職や移動距離などの区分ごとに、出張日当の額を設定しましょう。また、所定の出張日当に対して出張日数をかけて計算することが一般的です。
あわせて、出張旅費の精算をどのようにするのかも記載しておきます。「出張を終えてから○日以内に精算書と領収書を提出する」などと定めておきましょう。
出張日当を導入するメリット
出張日当を導入することによって、会社側・従業員側双方に一定のメリットがあります。それぞれ確認していきましょう。
会社側のメリット
出張日当を導入することで節税につながる場合がある点が、会社側のメリットです。出張日当として支払った額は損金として計上できるため、課税対象の利益を減らし、法人税などの負担軽減につながります。
また、従業員のモチベーションを向上させて会社の生産性向上や業績の向上を期待できる点も、出張日当を導入するメリットです。出張日当があることで、従業員は経済的・心理的負担を軽減し、出張先の慣れない環境下でも本来のパフォーマンスを発揮しやすくなります。
従業員側のメリット
原則として給料以外のお金を非課税で受け取れる点が、出張日当を導入することによる従業員側のメリットです。
「通常必要とされる費用の支出に充てられる」として認められれば、出張日当に対して所得税・住民税や社会保険料はかかりません。たとえば、3,000円の出張日当を支給される場合、そのまま3,000円を受け取れます。
そのため、出張時に出張手当を受け取ることにより、従業員の手取り増加につながるでしょう。
出張日当にスムーズに対応するためのポイント
出張日当の精算手続きにスムーズに対応するためのポイントは、以下のとおりです。
- 出張申請に関するフローを整備しておく
- システムを導入する
それぞれ解説します。
出張申請に関するフローを整備しておく
出張申請に関するフローを整備しておくことが、出張日当の精算手続きに対応するためのポイントです。
出張日当を支給するにあたって、経理担当者は出張申請などで正当な出張であることを確認します。そこで、出張者が作成する書類に不備があったり、提出先を誤ったりすると、精算するまでに手間取るでしょう。
出張申請書の作成方法や申請先、承認者などが明確に定められていれば、申請者は悩まずに申請できます。また、フローを明確にしておくことにより、申請者が不正受給するリスクも軽減できるでしょう。
システムを導入する
システムを導入することも、スムーズに出張日当の精算手続きを進めるための方法です。
出張手当を支給する際は、役職や距離に応じた適切な額を用いて、正しく計算しなければなりません。計算を間違えると、従業員に迷惑をかけたり、経費処理に問題が発生したりする可能性があります。
また、毎回規程を確認して対象の出張手当に該当する額を把握するのには、手間がかかるでしょう。そこで、出張手当の自動計算が可能な経費精算システムを導入すれば、計算ミスを防いでスムーズに適切な額を算出できます。
出張日当をスムーズに処理できるシステムのひとつが、クラウド型経費精算システムの「楽楽精算」です。
「楽楽精算」で出張日当をスムーズに処理できる理由
「楽楽精算」で出張日当をスムーズに処理できる理由として、日当・手当の自動算出機能が備わっている点が挙げられます。
「楽楽精算」は、申請から承認、処理・保存まで毎月の経費精算業務を効率化できるシステムです。役職や移動距離によって変動する日当・手当をあらかじめ「楽楽精算」に登録しておけば、出張日当を自動算出できます。
自動化すれば、申請のたびに規程を確認する手間を省いたり、計算ミスを減らしたりできるでしょう。実際、200パターンにも及ぶ日当を「楽楽精算」に登録することで、経理担当者の負担削減に成功している会社もあります。
まとめ
出張日当とは、従業員が出張する際に発生する雑費などを補填するために、基本給とは別に支給されるお金のことです。国内における出張日当の相場は、2,000〜3,000円とされています。
しかし、出張日当は役職や距離によって異なる金額を決めることが一般的である点に注意が必要です。そのため、正しい金額を把握するためには、経理担当者が都度出張旅費規程を確認しなければなりません。
出張手当を支給するたびに出張旅費規程を確認する手間を省きたい場合や、計算ミスのリスクを軽減したい場合は、ぜひ「楽楽精算」の導入をご検討ください。「楽楽精算」なら、あらかじめ出張日当のパターンをいくつか登録しておくことで、条件に応じた適切な金額を自動計算できます。
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