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印刷代の勘定科目は?シーンごとの違いと仕訳例

コピー代・印刷代の勘定科目は?シーンごとの違いと仕訳例
更新日:2026/4/27

コピー代や印刷代は日常業務の中で頻繁に発生する経費ですが、利用目的によって適切な勘定科目は異なります。誤った科目で処理すると経費の内訳が分かりにくくなるため、注意が必要です。

本記事では、コピー代・印刷代の勘定科目の考え方や、シーンごとの具体的な仕訳例を解説します。

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コピー代・印刷代の勘定科目は?

事業を進めるうえで、コピー代・印刷代は日常的に発生する身近な費用です。会計処理では、どの勘定科目にすればいいか判断に迷うこともあるでしょう。コピーや印刷の内容・目的によって、選ぶべき勘定科目は異なります。

ここでは、コピー代・印刷代を仕訳処理する際の勘定科目について解説します。

シーンごとに異なる勘定科目

日常的に発生する経費をどの勘定科目で処理するかについて、法律で細かく定められているわけではありません。勘定科目は、取引内容を整理し、経営状況を把握しやすくするための区分です。

そのため、実務上は各企業や個人事業主が、自社の業務実態や管理方針に応じて科目を設定できます。大切なのは形式にとらわれるのではなく、取引の実態に応じて判断することです。

コピー代・印刷代についても、発生した場面によって選ぶべき勘定科目は異なります。社内資料の印刷や広告用チラシの作成、商品に付随する印刷物など、用途に応じて適切な科目を選ぶ必要があります。

ただし、科目の設定が自由だからといって、無制限に決められるわけではありません。「企業会計原則」に沿って、税務上も認められる区分であることが前提となります。実態を踏まえながら、会計基準の範囲内で適切に使い分けることが大切です。

「消耗品費」と「事務用品費」の違い

コピー代・印刷代の勘定科目では、「消耗品費」と「事務用品費」の違いに迷うかもしれません。「事務用品費」は、「消耗品費」の中でも事務作業に関わる支出を区分した科目です。主に、コピー用紙やトナー、ボールペン、ファイルなど、日常的な事務業務で使用する消耗品を購入したときに使います。

会計処理上は、これらをすべて「消耗品費」としてまとめて計上しても特に問題はありません。

あえて「事務用品費」という科目を設けるのは、事務関連のコストを把握しやすくするためです。費用の内訳を明確にすることで、無駄の見直しや経費管理、予算策定がしやすくなるというメリットがあります。

【シーン別】コピー代の勘定科目と仕訳

コピー代・印刷代の勘定科目は、発生した状況や目的に応じて区分することが適切です。

ここでは、具体的な場面ごとに適した勘定科目と仕訳例を紹介します。

消耗品費

消耗品費は、日常的に繰り返し使用し、消耗するものにかかる費用に使う勘定科目です。主に、使用可能期間が1年未満の什器備品や、取得価額が10万円未満のものを購入した際に使います。

物品の購入に限らず、発生回数が少なく、金額も比較的少額なコピー・印刷関連の費用であれば、「消耗品費」として処理することも可能です。一例として、社内資料や会議資料などをコピー・印刷するために使用するコピー用紙代・印刷用紙代があげられます。

また、通常は社内で対応しているものの、年に数回だけ大型資料の印刷を外部業者に依頼するようなケースでは、継続的な外注業務とはいえないため、「消耗品費」に含めて計上しても差し支えありません。

資料の印刷に使用する用紙とインクの代金1,000円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
消耗品費 1,000 現金 1,000

事務用品費

コピー用紙代・印刷用紙代やインク代など、日常的に発生して消費されるもののうち、事務処理に特化して使うものを購入したときに使う勘定科目です。

特に、ほかの消耗品と分けて把握したいときに用いられます。会計上は消耗品費でまとめても問題ありませんが、管理目的で分けるケースが多いでしょう。

コピー用紙1セット10,000円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
事務用品費 10,000 現金 10,000

外注費

社内ではなく、印刷の専門業者や製本会社などに業務の一部を委託した場合に使用する勘定科目です。特に、自社で行うはずの作業を外部に依頼して完成物を納品してもらうなど、業務委託の性質が強いケースに適しています。

たとえば、社内資料の印刷をデザインや企画を含めて外部業者に依頼した場合や、報告書のレイアウト作成から印刷・製本までを一括で任せた場合などが該当します。

外部の印刷会社に委託していた印刷料10万円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
外注費 100,000 現金 100,000

印刷製本費

外部の印刷業者に依頼して発生したものを処理する勘定科目です。冊子や報告書、契約書の製本など、社内で対応できない大量印刷や、決算関連書類の印刷など、印刷関連費用をまとめて管理したい場合に用いられます。

コピーや印刷を外部業者に依頼した場合の勘定科目には、「外注費」もあります。一般的には、印刷や製本作業そのものが主な依頼内容であれば「印刷製本費」として処理します。一方で、レイアウト作成やデザイン制作など、印刷以外の業務まで含めて依頼している場合は、「外注費」として仕訳することも可能です。

支出の内容や契約範囲に応じて科目を判断し、取引ごとのコストをより明確に把握したい場合には、「外注費」と「印刷製本費」を目的別に使い分けるのもよいでしょう。

パンフレットの印刷を印刷会社に依頼し、代金20万円を普通預金口座から支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
印刷製本費 200,000 普通預金 200,000

広告宣伝費

商品やサービスの販売促進・集客を目的として、不特定多数の人に向けた宣伝に要した費用に使う勘定科目です。

チラシやパンフレット、ダイレクトメール、ポスターなど、販売促進や集客目的で作成した印刷物が該当します。

それらのコピーや印刷物が社内利用ではなく、売上拡大を目的として社外に向けて使用されるかどうかが判断のポイントです。

宣伝用のチラシの印刷代金10万円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
広告宣伝費 100,000 現金 100,000

通信費

取引先や顧客との通信手段にかかった費用に使う勘定科目です。電話やインターネット、郵便など、情報や書類の送受信・運搬に支出した場合に使います。

コピーや印刷の場合でも、取引先に送る年賀状や挨拶状など、印刷会社に依頼して印刷した場合には通信費として計上が可能です。配送手続きに使用する送り状など、通信業務に付随する書類のコピー代・印刷代も、「通信費」に含めて処理できます。

一方で、同じ印刷であっても、年賀状や暑中見舞いが自社サービスの案内やキャンペーン告知を兼ねているなど販売促進の意味合いが強いものについては、「広告宣伝費」として計上することもあります。用途や目的に応じて判断することが大切です。

年賀状の印刷を印刷会社に依頼し、代金の10万円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
通信費 100,000 現金 100,000

仕入高

販売を目的とした商品や、製造に使用する原材料を購入する際に計上する勘定科目です。販売用商品として印刷物を仕入れた場合は、通常の仕入取引と同じく仕入高として処理できます。

商品に同封する説明書や保証書、パッケージのラベル印刷など、商品として販売するために必要な印刷物は、単なる事務経費ではなく商品原価の一部と考え、仕入高に計上します。

仕入原価に含めることで売上原価として計算され、より正確な利益把握につながるでしょう。

販売用のポストカードの印刷を外注して50万円を普通預金口座から支払った場合、次のように仕訳します。

借方 貸方
仕入高 500,000 普通預金 500,000

雑費

コンビニなどで一時的に少量の書類をコピーしたときなど、金額が少額で、ほかの勘定科目に明確に分類しにくい場合は、「雑費」として処理します。たとえば、出張先で急に必要になった資料のコピー代などが該当します。

雑費で仕訳するのは、あくまで最後の手段と考えるべきで、継続的に発生する支出はほかの適切な科目を選ぶようにしましょう。

取引先への説明で資料が必要になり、コンビニのコピー機でコピー代100円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
雑費 100 現金 100

なお、コピー代以外の勘定科目については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2025年最新版】実務で使える勘定科目一覧と仕訳ミスがなくなる基本ルール

コピー代・印刷代の勘定科目に関する注意点

コピー代や印刷代は日常的に発生する身近な経費ですが、処理の仕方を誤ると帳簿の整合性が崩れたり、税務調査で説明が難しくなったりすることがあります。金額が小さいからといって軽視せず、適切な管理と社内ルールの整備が必要です。

ここでは、経理処理を行ううえで特に意識したいポイントを解説します。

領収書(レシート)を一定期間保存する

コピー代や印刷代を経費として計上するためには、支出を証明する書類を保存しておく必要があります。具体的には、コンビニのレシートや印刷会社の請求書・領収書などが該当します。

これらは帳簿の根拠資料となるため、原則として法人・青色申告の個人事業主は7年、白色申告の個人事業主は5年の保存が必要です。また、法人の場合、赤字(欠損金)が発生した年度分は10年間の保管が義務付けられています。

特に、少額のコピー代はレシートを紛失しやすいため、注意が必要です。日付順にファイリングしたり、スキャンしてデータ保存したりするなど、管理方法をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

税務調査で証明する書類がない場合、経費として認められない可能性もあるため、日ごろからの整理・保存の徹底が大切です。

処理ルールを統一する

コピー代・印刷代の勘定科目は、あらかじめ判断基準を統一することも注意したいポイントです。担当者ごとに判断が分かれてしまうと、同じ内容の支出が異なる科目で処理される事態が起こりかねません。

経理処理のばらつきを防ぐため、社内で処理ルールを明確にし、統一して運用することが大切です。たとえば「社内利用のコピー代は消耗品費、外部への販促物は広告宣伝費」といった基準をあらかじめ定めておくと、判断に迷わないでしょう。

ルールを文書化しておくことで、経理担当者が変わっても一貫した処理が可能になります。

一度勘定科目を決めたら変更しない

勘定科目は、毎期継続して同じ基準で処理することが原則です。たとえば、ある年度はコピー代を「消耗品費」として計上していたのに、翌年度から特別な理由なく「雑費」に変更してしまうと、経費の推移が正しく比較できなくなります。

やむを得ず変更する場合には、合理的な理由を明確にし、社内で説明できる状態にしておくことが重要です。継続性を保つことで、経営分析がしやすくなり、税務調査の際にも説明がスムーズにできます。

小さな費用であっても、会計処理の一貫性を意識することが健全な経理体制につながるでしょう。

「楽楽精算」なら簡単に統一管理が可能

コピー代・印刷代の仕訳をスムーズに行うためには、クラウド型の経費精算システム「楽楽精算」が役立ちます。交通費や出張費といった経費精算をはじめ、コピー代・印刷代などの支出も含めた経理処理全体を一元管理できるシステムです。

経費精算の申請から承認、仕訳処理までクラウド上で完結できるため、帳票の紙管理やExcel入力といった手間を削減できます。領収書はスマートフォンで撮影するだけでシステムに取り込むことができるほか、申請内容に応じて勘定科目や税区分を自動で振り分ける「自動仕訳機能」も搭載されています。

自動仕訳機能を活用することで社内で統一した科目管理が可能できるようになり、処理スピードの向上と経理業務の効率化を実現します。

仕訳データは会計ソフトに連携して取り込めるため、二重入力やミスも防げるでしょう。

「楽楽精算」の詳しい内容は、以下をご確認ください。

>> 「楽楽精算」の自動仕訳・会計ソフト連携機能の詳細はこちら

まとめ

コピー代・印刷代の勘定科目は一律に決まっているわけではなく、どのような目的で使ったかで判断することが大切です。社内利用であれば消耗品費や事務用品費、販促目的なら広告宣伝費、売上に直接関係する場合は仕入高など、内容に応じて適切に使い分けましょう。

勘定科目を決める際は、社内で処理ルールを統一し、継続して同じ基準で仕訳することも大切です。正しい勘定科目の選択と一貫した運用が、スムーズで信頼性の高い会計処理につながります。

コピー代をはじめとする勘定科目の処理を効率的に行いたいときは、「楽楽精算」がおすすめです。「自動仕訳機能」により、申請内容からそのまま勘定科目や税区分が振り分けられ、経理の手間を大幅に削減できるでしょう。

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安田 亮
監修
安田 亮

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。 大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

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