お中元・お歳暮の勘定科目は?経費処理や仕訳例も解説
お中元やお歳暮を贈る際の勘定科目には、原則として「接待交際費」を使います。ただし、損金算入可能な額に制限がある点に注意しましょう。
本記事では、お中元やお歳暮を贈る際に使う勘定科目や、経費処理のポイントなどについて解説します。
この記事の目次
お中元やお歳暮の勘定科目は原則「接待交際費」
お中元やお歳暮は、取引先と良好な関係を継続していくために必要不可欠な出費といえるため、原則として「接待交際費(交際費)」の勘定科目を使って処理します。
なお、個人事業の場合は、接待交際費を全額経費として計上できるのに対し、法人の場合は会社の規模に応じて損金算入できる額に一定の制限がある点に注意しましょう。
交際費とは
そもそも交際費とは、法人がビジネス上関係のある相手に対して接待や贈答などをする際に支出する費用のことです。会計上は「交際費」が使われますが、一般的には「接待交際費」と呼ばれることもあります。
税務上、交際費は全額損金の額に算入できない(損金不算入)ことが原則です。ただし、法人の規模によって、損金不算入の額が限定される場合があります。
たとえば、期末における資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人は、以下いずれかの金額が損金不算入額とされています。
- 交際費などのうち、飲食などにかかる費用の50%相当を超える部分
- 交際費などのうち、「800万円 ×(対象事業年度の月数 ÷ 12)」を超える部分
参考:国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」
お中元・お歳暮の経費処理のポイント
お中元やお歳暮を贈った際にかかる経費を処理する際のポイントは、以下のとおりです。
- 贈った相手を記録しておく
- ビジネス関係者に対するもののみ計上する
- 金額に気をつける
- 金券類は消費税の非課税取引として処理する
それぞれ解説します。
贈った相手を記録しておく
お中元やお歳暮を贈った際は、内容を記録しておきましょう。損金算入可能な範囲であっても、「いつ」「誰に」「何を」贈ったのかがわかる書類がないと税務署から経費としての支出を認められない可能性があります。
そこで、送付日や贈答先、贈答の目的などを記録し、宅配便の送り状や領収書、贈答先リストなどと一緒に保存しておくとよいでしょう。
ビジネス関係者に対するもののみ計上する
ビジネス上の付き合いがある相手に贈った品物に対してのみを経費として計上することが重要です。
お中元やお歳暮を贈った際にかかる費用を損金として算入できるのは、事業で関係のある相手先に対してのみです。そのため、家族やプライベートでの友人に贈った贈答は、事業と関係のない相手に対する贈り物として損金算入が認められません。
ビジネス上の付き合いがある相手に対する贈り物とわかるように、証拠となる記録を残しておくことが大切です。
金額に気をつける
お中元やお歳暮を贈る際の金額にも、気をつけましょう。贈答品の額が常識の範囲を超えるものの場合、損金算入が認められない可能性があります。
損金算入可能な贈答品の額について、明確な決まりはありません。ただし、1件に対して1万円が一般的な目安されることがあります。
1万円を超える場合は、妥当な品なのかをあらためて考えましょう。
金券類は消費税の非課税取引として処理する
商品券や食事券、ギフト券などの金券類は、消費税の課税対象外取引として処理しましょう。
贈答先が金券類を使って商品を購入した際やサービスを利用した際に、消費税が課税されます。二重課税を避けるため、金券類を購入した際には消費税がかかりません。
なお、金券類のように換金性の高いものをお中元やお歳暮として贈る場合には、税務署から指摘される可能性があることも押さえておきましょう。
参考:国税庁「No.6229 商品券やプリペイドカードなど」
お中元・お歳暮を贈る際の仕訳例
3,980円の品物をお中元として購入し、800円の送料をかけて取引先に贈った場合(法人クレジットカードを使用)の仕訳例は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 交際費 | 4,780 | 未払金 | 4,780 | A社宛お中元 |
また、クレジットカードの引き落とし時に、以下のように処理します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 未払金 | 4,780 | 普通預金 | 4,780 | A社宛お中元分 引き落とし |
なお、送料も品物とまとめて交際費として処理します。
「交際費」の代わりに「広告宣伝費」を使うケース
会社のロゴが入ったカレンダーや手帳などを新年の挨拶回りで配布する場合は、「交際費」の代わりに「広告宣伝費」の勘定科目を使用します。
広告宣伝費とは、自社の商品やサービスを不特定多数の相手に知ってもらうために、広告や宣伝をする際にかかる費用のことです。特定の相手に贈るのではなく、不特定多数の消費者に対して品物を配る場合に、「広告宣伝費」を使います。
また、「交際費」は全額損金不算入の場合や損金算入できる額に限りがある場合があるのに対し、「広告宣伝費」は基本的に損金算入できる額に決まりはありません。
参考:国税庁「No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分」
お中元やお歳暮の経費処理は「楽楽精算」で効率化できる
クラウド型の経費精算システム「楽楽精算」なら、申請ルールチェック機能や、自動仕訳・会計ソフト連携機能を活用することでお中元やお歳暮を贈る際の経費処理を効率化できる可能性があります。
交際費の処理では、用途区分を明確にし、精算時に自動分類できる体制を整えることが大切です。「楽楽精算」の申請ルールチェック機能を活用して、お中元やお歳暮に関する精算ルールを設定しておけば、不明瞭な申請や不適切な申請を防止できます。
また、自動仕訳・会計ソフト連携機能により、交際費の仕訳をスムーズにできるでしょう。
まとめ
お中元やお歳暮を贈る際は、原則として「交際費(接待交際費)」の勘定科目を使います。ただし、不特定多数の消費者に贈答品を配る場合は、「広告宣伝費」を用いる点に注意しましょう。
また、「交際費」は法人の規模によって損金算入できる金額に上限があることや、贈った相手を記録しておくことなどが大切です。仕訳処理に手間がかかる場合は、経費精算システムの導入も検討しましょう。
クラウド型経費精算システムの「楽楽精算」には、ルールに従っていない申請に対してメッセージを出す「申請ルールチェック機能」が備わっています。自動仕訳機能でスムーズな仕訳もできるため、ぜひ経費精算の効率化に「楽楽精算」をご検討ください。
「楽楽精算」の
資料をメールでもらう

電子帳簿保存法対応!経費精算システム「楽楽精算」の製品概要や導入メリット、機能などが詳しくわかる資料をメールでお送りします。
この記事を読んだ方におすすめ!
オススメの人気記事

- 監修
- 安田 亮
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。 大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
使い勝手が気になる方へ。




