請求書の正しい書き方とは?インボイスの必要項目や記載例も解説

著者:安田 亮(公認会計士・税理士・1級FP技能士)

請求書の正しい書き方とは?インボイスの必要項目や記載例も解説

請求書を作成する際は、発行日や請求書番号、請求金額、支払期日、振込先口座などを正確に記載する必要があります。また、インボイス制度に対応させるためには、自社の登録番号や消費税に関するさまざまな表示も盛り込まなければなりません。

本記事では、請求書の正しい書き方について、記載例を交えて解説します。

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この記事の目次

    【記載例付き】請求書の書き方・記載項目

    請求書の主な記載項目は、以下のとおりです。

    • 発行日・請求書番号
    • 交付先の名称や氏名
    • 発行者情報
    • 請求金額・取引年月日・取引内容
    • 支払期日
    • 振込先の口座情報
    • 備考・特記事項

    それぞれの書き方について、記載例を含めて解説します。

    発行日・請求書番号

    請求書の上部に、年月日を記載します。年号は西暦でも和暦でも構いません。いずれにしても、同じ請求書内で記載方法を統一しましょう。

    年月日は、請求書を作成した日(発行した日)を記載することが一般的です。ただし、記載方法に指定がある場合もあるため、新規の取引先にはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

    発行年月日の近くに請求書番号を記載することもあります。請求書番号を記載することで、見積書や納品書と紐づけられたり、取引先からの問い合わせに対応しやすくなったりする点がメリットです。また、取引内容を確認する際にも、対象の請求書を検索しやすくなります。

    【記載例】

    2026年6月30日 請求書番号:001-1234-567

    交付先の名称や氏名

    請求書には、交付先の名称や氏名も記載しなければなりません。

    相手に失礼な印象を与えないよう、契約書や名刺などで正式名称を確認した上で正しく記載することが大切です。また、「株式会社」を「(株)」などと省略しないようにしましょう。

    担当者名まで記載しておくと、請求書の送付先が明確になります。担当者名まで記載する場合は、最後に「様」をつけましょう。

    一方、会社名や部署名までの記載にとどめる場合は、「御中」をつけます。担当者が不明な場合は、「ご担当者様」と記載することも可能です。

    なお、会社名や部署名と担当者名を併記する場合は、「御中」と「様」を併用しないようにしましょう。

    【記載例】

    XX株式会社 経理部 〇〇 ◇◇ 様

    発行者情報

    請求書には、発行者情報も記載します。自社の名称・住所・電話番号・メールアドレスなどを記載しましょう。

    交付先の名称と同様に、自社名も「株式会社」などを省略せず記載することがポイントです。また、請求書発行に携わる担当者名を記載しておけば、不明点がある場合に取引先が問い合わせをしやすくなります。

    【記載例】

    株式会社YY
    〒000-0000 東京都新宿区▲▲▲▲0-0
    TEL:03-XXXX-XXXX
    E-Mail:aaaa@aaaa.aa
    担当:×× ■■

    請求金額・取引年月日・取引内容

    消費税を含めた合計の請求金額も、請求書に大きく表示します。「合計金額」の欄を設けて、金額や「(税込)」を記載しましょう。

    不正を防ぐため、金額は3桁ごとに「カンマ(,)」を付けます。金額の前に「¥」、金額の後ろに「-」を付けることもポイントです。

    【記載例】

    合計金額 ¥150,000-

    また、請求金額の内訳として取引年月日や取引内容(商品名称・サービス内容、単価、個数)も記載します。取引ごとに採番するとよりわかりやすくなるでしょう。

    【記載例】

    No. 内容 単価 数量 金額
    1 〇〇 ¥20,000- 5 ¥100,000-
    2 ×× ¥50,000- 1 ¥50,000-

    なお、Excelで作成してあらかじめ数式を入れておくことで、取引内容から合計金額を自動で算出できます。

    支払期日

    「支払期日」や「振込期日」などとして、請求金額の入金希望日を記載します。

    支払期日は、契約書や取引条件を確認したうえで設定しましょう。たとえば、「月末締め翌月末払い」や「請求日から2週間後」など、取引先との取り決めに沿って記載します。事前に取り決めがない場合は、取引先と支払条件を調整します。

    【記載例】

    支払期日:20YY年9月30日

    【記載例】

    20YY年9月30日までに、下記口座へお振り込みください。

    振込先の口座情報

    請求金額の振込先となる口座情報も必要です。新規取引先だけでなく、既存取引先に対しても、請求書を発行するたびに表示しておきましょう。

    記載する内容は以下のとおりです。

    • 銀行名・金融機関コード
    • 支店名・支店コード
    • 預金口座の種類(普通・当座)
    • 口座番号
    • 口座名義(カタカナ表記)

    【記載例】

    □□銀行(金融機関コード0000) △△支店(支店コード0000)
    普通 0000000
    カ)××××××××

    備考・特記事項

    取引先に別途伝えたい情報がある場合は、「備考」や「特記事項」などの欄を使用しましょう。

    たとえば、振込手数料の負担を相手にお願いしたい場合に、備考欄を使うことがあります。

    【記載例】

    備考:
    恐れ入りますが、振込手数料は貴社のご負担でお願いいたします。

    振込手数料は、請求金額を支払う側で負担することが一般的です。ただし、双方で認識に相違が生じることもあるため、どちらが負担するか事前に取引先に確認しておいたほうがよいでしょう。

    また、振込先の変更を希望する場合、口座情報に新口座情報を記載するだけでは相手に見落とされる可能性があります。そこで、備考欄に振込先に変更があることを盛り込んでおけば、相手に気づいてもらいやすくなるでしょう。

    【記載例】

    備考:
    現在ご利用いただいております、振込先の金融機関口座を変更させていただきます。ご迷惑をおかけしますが、今回のお振り込みより新しい口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。

    インボイスに対応するために必要な項目

    インボイス制度とは、事業者が適用税率や消費税額を正確に把握し、消費税を適正に納付するための制度を指します。インボイス発行事業者である売り手は、買い手から求められた場合に以下の内容を記載したインボイス(適格請求書)の発行が必要です。

    • インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
    • 売り手の氏名・名称、登録番号
    • 取引年月日
    • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
    • 税率ごとに区分した対価の総額・適用税率
    • 税率ごとに区分した消費税額等

    つまり、インボイスとして認められるには、一般的な請求書に必要な記載事項に加えて、自社の登録番号や消費税に関する表示もしなければなりません。それぞれ詳しく解説します。

    参考:国税庁「インボイス制度について

    自社の登録番号

    インボイスとして認められる請求書を発行するには、自社の登録番号を表示しなければなりません。

    登録番号とは、インボイス発行事業者として登録を受けるにあたって、登録申請書を提出した際に通知される番号です。法人の場合は、「T」+自社の法人番号(13桁)で構成されています。

    登録番号を記載する場所に決まりはありません。一般的には、発行者情報や請求書番号の近くに表示します。

    【記載例】

    登録番号:T0000000000000

    なお、登録番号の通知書は原則として再発行を受けられないため、紛失しないように注意しましょう。登録通知を受けた後の登録番号を確認するには、国税局が設置しているインボイス登録センターに問い合わせる方法があります。

    参考:国税庁「各局(所)インボイス登録センターのご案内

    消費税に関する表示

    インボイスの請求書を発行するには、消費税に関する表示も必要です。

    10%・8%それぞれの対象となる対価の総額とその適用税率を記載しましょう。また、それぞれの消費税額等もあわせて表示します。

    【記載例】

    8%対象(軽減税率) 20,000円 消費税 1,600円
    10%対象 5,000円 消費税 500円

    なお、軽減税率対象の取引がある場合は、取引内容の箇所に「」を付けるなどして説明します。

    内容
    牛肉
    タオルセット
    軽減税率対象

    関連記事:インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは?今とるべき対応を徹底解説

    そもそも請求書とは

    請求書とは、取引先に対して代金の支払いを正式に依頼するための文書です。

    法律上、取引にあたって売り手が請求書を発行する義務はありません。ただし、ビジネスにおいて取引を示す証明として、請求書を発行することが一般的です。

    トラブルを未然に防ぐ観点でも、請求書の発行が役に立つことがあります。口頭でやり取りする場合と比べて、請求書を発行したほうが売り手と買い手の間で金額や取引内容に対する認識の違いが生じることを避けられるでしょう。

    なお、請求書は会計処理や税務申告などにも使われることがあります。また、万が一取引先との間でトラブルが発生した場合には、裁判の証拠として提出するケースもあるでしょう。

    請求書が他の帳票と異なる点

    売り手は、取引にあたって請求書以外にも見積書や領収書などを発行することがあるでしょう。請求書と他の帳票の主な違いとして、発行の目的や発行のタイミングが挙げられます。

    見積書とは、取引前に金額や納期の見込みを発注者へ提示するために発行する書類のことです。請求書は実際にかかった費用を請求するのに対し、見積書は取引時に発生する金額を概算で提示します。

    また、領収書とは、実際に代金を受領したことを証明するために発行する書類です。請求書は基本的に相手から代金を受領する前に発行するのに対し、領収書は代金の受領後に発行します。

    さらに、請求書や見積書は基本的に発行時に収入印紙が不要であるのに対し、5万円以上の現金取引が発生した際に発行する紙の領収書には、収入印紙を貼付しなければなりません。ただし、「請求書」や「見積書」とした書類でも、記載内容次第で契約の成立を証明する文書として収入印紙の貼付が必要なケースがあるため、注意が必要です。

    なお、領収書も必要事項が記載されていればインボイスとして認められることがあります。

    請求書の作り方

    請求書を作る主な方法は、以下のとおりです。

    • WordやExcelで最初から作成する
    • テンプレートを活用する
    • 各種システムを活用する

    それぞれの作り方を解説します。

    WordやExcelで最初から作成する

    WordやExcelなどのソフトを使って請求書を一から作成できます。自社で最初から作成する場合は、社内で使いやすいデザインを自由に設定できる点がメリットです。一方で、レイアウトなどを一から考える必要があるため、手間はかかります。

    WordやExcelで請求書を作成する流れは、以下のとおりです。

    • Word・Excelを開いて「新規作成」する
    • ページ設定で用紙サイズや余白などを調整する
    • ヘッダー・フッターにページ番号や会社名などを入力する
    • 発行日・請求金額・取引内容などを入力する
    • テンプレートとして保存する

    なお、Excelを使う場合は、セル幅の調整や罫線の設定などに手間がかかります。一方で、取引内容に応じて請求金額を自動計算できるため、継続的に請求書を発行する際に便利です。

    テンプレートを活用する

    インターネット上で公開されている請求書のテンプレートをダウンロードして利用する方法もあります。

    テンプレートを活用すれば、レイアウトなどを自分で考える手間を省けるため、最初から作成するケースと比べて短時間で請求書を発行できる点がメリットです。一方で、自社に合ったテンプレートが見つかるとは限らない点がデメリットとして挙げられます。

    また、サンプルの宛先が残ったまま請求書を発行して取引先に失礼な印象を与えたり、金額の修正を忘れてトラブルにつながったりすることにも注意しなければなりません。テンプレートを活用して請求書を作成する場合は、発行前に記載例や不要な文言が残っていないか必ず確認しましょう。

    各種システムを活用する

    請求書発行システムなどを活用することも、請求書を作成する方法のひとつです。

    請求書発行システムとは、請求書の作成・発行・送付などを行えるシステムを指します。人為的なミスを防ぎやすい点が、請求書発行システムを活用して請求書を作成するメリットです。

    Excelなどで請求書を作成する場合、正しく数式を入力していても、担当者が書き換えたり誤って削除したりして、実際の金額と異なる額で請求書を発行する可能性があります。

    その点、請求書発行システムを使えばあらかじめ設定した取引先情報や請求内容を利用して請求書を作成できるため、手作業で発生しがちなミスの軽減につながるでしょう。

    また、業務の効率化を図れる点も、請求書発行システムで請求書を作成するメリットです。システム上で請求書を管理すれば、紙で対応する場合と比べて、印刷や保管、郵送などにかかる手間を軽減できます。

    請求書を発行するまでの流れ

    請求書を発行するまでの一般的な流れは、以下のとおりです。

    1. 取引をする
    2. 請求金額を確定させる
    3. 請求書を作成する
    4. 請求書を送付する

    請求書を送付した後は、支払期日までに取引先から入金されているか確認します。

    なお、請求書を発行するタイミングは取引の種類によって異なります。継続的に取引が発生する場合は月末など毎月決まった日に請求書を発行することが一般的です。一方、個別の受注案件では、一般的に納品後や検収完了後に請求書を発行します。

    請求書を発行する際のポイント

    請求書を発行するにあたって、押さえておきたい主なポイントは以下のとおりです。

    • 送付時のマナーを確認しておく
    • 記載漏れやミスがないようにする
    • 効率化できる方法を考える

    それぞれのポイントについて詳しく解説します。

    送付時のマナーを確認しておく

    請求書を発行するにあたって、送付時のマナーを確認しておくことがポイントです。送付時のマナーが守られていないと、相手に失礼な印象を与える場合があるため注意しましょう。請求書の送付方法によって、ビジネスマナーがあります。

    たとえば、請求書を郵送する際には送り状(添え状)を同封することが一般的です。送り状に日頃の感謝や請求書の枚数、送付先の名称などを記載することで、内容の確認がスムーズになり、相手に丁寧な印象を与えられます。

    メールでの送付を検討している場合は、メール送付で問題ないか相手にあらかじめ確認することがマナーです。また、WordやExcelで作成した場合でも、PDFにしてから送付しましょう。

    記載漏れやミスがないようにする

    請求書を発行する際に、記載漏れやミスがないようにすることも大切です。請求内容に誤りがあると、請求書の再発行や修正対応に手間がかかったり、取引先からの信頼を失ったりする可能性があります。

    特に、担当者ごとに使用している請求書のフォーマットが異なる場合は、記載漏れにつながりかねません。また、毎回手作業で計算する場合は、計算ミスが生じるリスクが高まるでしょう。

    請求書のフォーマットを統一したり、自動計算機能を活用したりする方法を検討しましょう。

    効率化できる方法を考える

    請求書の発行業務を効率化できる方法についても考えておきましょう。

    紙や手作業で請求書を発行する場合、必要事項が記載されているか確認したり、郵送するために封筒を用意したりする手間がかかります。特に、インボイスには必要な項目が多いため、作成や記載漏れの確認に時間がかかりやすいでしょう。

    電子請求書発行システムを導入することにより、請求書に関する業務の効率化につながる可能性があります。

    「楽楽明細」で請求書の発行業務を効率化できる理由

    電子請求書発行システム「楽楽明細」を導入すれば、請求書の発行業務を効率化できます。「楽楽明細」で発行業務を効率化できる主な理由は、以下のとおりです。

    • フォーマットを統一して自動生成できる
    • 作成から送付・管理まで一元化できる

    それぞれ解説します。

    フォーマットを統一して自動生成できる

    「楽楽明細」なら帳票を自動生成できるため、請求書の発行業務を効率化できる可能性があります。

    「楽楽明細」は、請求書や納品書、領収書などさまざまな帳票を数クリックで自動発行できるシステムです。直感的な操作方法が特徴のため、システムに不慣れな担当者でも、スムーズに帳票発行業務を行えるでしょう。

    また、見出しやヘッダー・フッターなどのレイアウトについて統一したフォーマットを用意できる点も特徴です。フォーマットを統一することにより、担当者ごとに記載方法がばらついたり、記載漏れが発生したりするリスクを軽減できます。

    作成から送付・管理まで一元化できる

    作成から送付・管理まで一元化できることも、「楽楽明細」で請求書に関する業務を効率化できる理由です。

    「楽楽明細」では、使用しているシステムやExcelなどのCSVデータやPDF帳票データをアップロードすることで帳票を一括作成できるほか、WEB・メール添付・郵送代行など取引先にあわせた方法で請求書を送付できます。数クリックで自動送付可能なため、印刷・封入・郵送準備などにかかっていた時間や労力も軽減できるでしょう。

    また、「債権管理オプション」を利用すれば、インターネットバンキングから入金データを自動で取り込んで請求書上の金額や入金額を自動で照合・消込可能なため、請求書発行後の業務の効率化も図れます。

    まとめ

    請求書には、発行日・交付先の名称・請求金額・取引年月日・取引内容・支払期日などを記載します。また、自社の登録番号や消費税に関する表示を盛り込むことが、インボイスに対応する請求書の書き方のポイントです。

    請求書の作成方法として、WordやExcelで作成する方法や、テンプレートを活用する方法などがあります。ただし、記載漏れが発生したり、発行までに手間がかかったりする点に注意しなければなりません。

    スムーズに請求書を発行するには、請求書発行システムを導入する方法があります。請求書発行システムを活用すれば、発行業務にかかる時間の短縮や、ヒューマンエラーが発生するリスクを軽減できるでしょう。

    「楽楽明細」は、フォーマットを統一し、自動で帳票を作成できる電子請求書発行システムです。業務の効率化やミスの軽減を図りたい場合は、ぜひ「楽楽明細」の導入をご検討ください。

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