著者:安田 亮(公認会計士・税理士・1級FP技能士)
請求書にはどの日付を記載すればよいのか、判断に迷うこともあるでしょう。一般的には請求書を発行した日を記載しますが、取引先との契約内容や締め日、請求方法によって適切な日付は異なる場合があります。
本記事では、請求書の日付の決め方や注意点、日付以外に必要な項目などを解説します。

請求書の日付には、明確な法律上の一律ルールはなく、いつに設定すべきか迷うケースは少なくありません。一方で、請求書に記載する日付は取引先との請求・支払い管理に関わる重要な項目であり、取引内容や請求方法に応じて適切に設定する必要があります。
ここでは、請求書の日付の考え方や決め方について解説します。
請求書に記載する発行日については、法律上の一律の決まりはありませんが、実務上は発行日を記載するのが一般的です。発行日を記載することで、いつ請求書を発行したのかが明確になり、取引先との認識のずれを防止できます。
また、日付は取引時期を示す情報としても重要です。たとえば、毎月同じ金額の請求が発生する継続取引では、発行日が記載されていれば、どの期間の請求なのかを確認できます。
日付が記載されていないと、請求内容の確認に時間がかかったり、発行側と受領側で認識の違いが生じたりすることもあるでしょう。
請求書は取引内容を証明する書類としても利用されるため、実際の発行日に基づいて日付を記載し、適切に管理することが大切です。
請求書には「発行日」「締め日」「支払期限」など、複数の日付が関係します。それぞれ次のように意味が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
請求書の締め日とは、請求対象となる取引期間の最終日であり、どこまでの取引を請求書にまとめるかを決める基準となる日付です。支払期限は、取引先が請求金額を支払う期限を示します。
締め日と支払期限は、取引先との契約や請求条件に基づいて設定されるため、請求書の発行日とは異なる日付になるのが一般的です。それぞれの役割を正しく理解し、契約内容に沿って運用することが大切です。
請求書の日付は、取引形態によって適切な設定方法が異なります。継続的な取引では締め日に合わせて発行することが多く、単発の取引では取引完了後に発行するケースが一般的です。
ここでは、日付の決め方について掛売方式と都度方式に分けて解説します。
掛売方式とは、商品やサービスを先に提供し、代金は後日まとめて請求・回収する取引方法です。対象期間中に複数回の取引があっても請求書はまとめて1枚発行するのが一般的で、請求書の日付は締め日や発行日に合わせて設定します。
たとえば「毎月末締め・翌月末払い」の契約であれば、当月中に発生した取引を月末で締め、翌月に請求書を発行します。この場合、請求書の日付には実際に発行した日を記載します。
掛売方式では取引件数が多くなりやすいため、請求書の日付と対象期間が一致しているか確認することが重要です。適切に日付管理をしないと、請求漏れや入金確認の遅れにつながる可能性があります。
都度方式とは、商品を納品したりサービスを提供したりするたびに請求書を発行する取引方法です。請求書の日付は、基本的に発行した日を記載します。
たとえば、商品を納品した日に請求書を作成する場合は、その作成日を請求書の日付として記載します。ただし、取引先との契約によっては、納品日や検収完了日を基準として請求する場合もあります。
都度請求では取引ごとに請求処理が発生するため、発行日や支払期限を正確に管理することが大切です。
請求書を作成する際は、日付だけでなく、取引内容や請求金額など必要な情報を漏れなく記入することが大切です。
ここでは、日付以外で必要な基本項目と、インボイス制度に対応した項目を解説します。
請求書には、一般的に以下の項目を記載します。
特に請求金額や取引内容は、取引先が請求内容を確認するうえで重要な情報です。また、振込先や支払期限を明記することで、入金処理の遅れや確認作業の手間を防止できます。
インボイス制度のもとで消費税の仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の要件を満たす必要があります。インボイスには、通常の請求書項目に加えて、以下の項目を記載しなければなりません。
インボイス制度に対応していない請求書では、取引先が仕入税額控除を受けられない可能性があるため、注意が必要です。請求書作成時には記載漏れがないか確認し、制度上の要件を満たした請求書を発行するようにしましょう。
関連記事:インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは?今とるべき対応を徹底解説
請求書の日付は自由に設定できるわけではなく、取引先との契約内容や社内の請求ルールを踏まえて管理することが大切です。誤った日付を設定すると、請求処理や経理処理に影響が出る可能性があります。
日付を決める際の注意点について、詳しくみていきましょう。
請求書の日付を決める際は、取引先ごとに設定されている請求ルールを確認する必要があります。
企業ごとに締め日や支払いフローは異なるため、自社の運用だけで発行日を決めると、請求処理や入金スケジュールに影響が生じる可能性があります。
そのため、取引開始時に契約内容や請求条件を確認し、取引先ごとの締め日や支払条件に合わせて請求書を発行することが大切です。あらかじめ運用ルールを把握しておくことで、請求書の発行から代金の回収までをスムーズに進められます。
請求書を紛失した場合や内容を修正する場合、再発行することがあります。この場合、基本的には元の請求書の日付を変更しないよう注意が必要です。
再発行した日を請求書の日付として記載すると、同じ取引に対して異なる請求日が存在することになり、取引先や経理処理で混乱が生じる可能性があります。
「再発行」の印を押すなど再発行であることが確認できるように表示し、請求内容や発行日は初回発行時と同じ内容に統一しましょう。
請求書の発行件数が増えると、日付の確認や発行スケジュールの管理に手間がかかります。手作業で管理すると入力ミスや発行漏れが発生しやすいため、業務を効率的に進める体制づくりが必要です。
ここでは、ミスを防ぎながら業務を効率化する方法を紹介します。
請求書の日付管理を適切に行うには、社内で発行ルールを統一することが大切です。担当者ごとに異なる基準で請求書を作成すると、日付のずれや請求漏れが発生する可能性があります。そのため、「請求書の日付は発行日にする」「締め日は取引先ごとの契約条件に従う」など、具体的なルールを設定しましょう。
また、請求書の作成者や確認担当者、発行タイミングなども明確にしておくことで、担当者が変わった場合でも一定の品質で業務を進められます。特に、月末や決算期など請求処理が集中する時期は、対応方法が統一されていないと確認作業に時間がかかります。
決めたルールは社内マニュアルや業務フローとして文書化し、関係者へ共有しておくことが大切です。口頭での引き継ぎだけでは認識の違いが生じやすいため、誰が担当しても同じ手順で処理できる環境を整えることで、請求業務のミス防止や効率化につながります。
請求書の発行漏れや遅延を防ぐには、あらかじめ発行スケジュールを設定し、計画的に管理することが重要です。
特に月末締めの取引が多い企業では、締め日直後に請求書の作成や確認作業が集中しやすくなります。そのため、締め日から発行日までの作業期間を確保し、作成担当者・確認担当者・発行日などの工程を明確にしておく必要があります。
また、請求書の発行予定日をカレンダーやタスク管理ツールなどで共有すると、担当者間で進捗状況を把握しやすいでしょう。発行前の確認作業や承認フローも設定しておくことで、記載ミスや対応漏れの防止につながります。
定期的に請求業務のスケジュールを見直し、取引量の増加や担当者の変更があっても対応できる体制を整えておくことが大切です。
取引先によって締め日や支払期限、請求方法などの条件が異なる場合、個別に管理すると確認作業が複雑になり、請求漏れや発行日の間違いにつながります。
取引先ごとの請求条件を一覧化し、一元管理することが重要です。具体的には、取引先名、締め日、請求書の発行日、支払期限、請求方法、担当者などの情報をまとめて管理すると、必要な情報をすぐに確認できるでしょう。
また、請求条件を共有しておくことで、担当者が不在の場合でもスムーズに対応できます。
請求書の作成や発行、管理にかかる負担を軽減するには、請求書発行システムの活用がおすすめです。
請求書発行システムでは、取引先情報や請求条件を登録できるため、毎回手入力する手間を削減できます。また、取引先ごとの締め日や支払条件に応じて請求書を作成できる機能や、発行スケジュールを管理できる機能を備えたツールもあります。
さらに、電子帳簿保存法への対応やインボイス制度に対応した請求書の発行、請求データの一元管理などが可能なシステムもあります。手作業による入力ミスや発行漏れを防ぎながら、請求業務全体の効率化を図れる点がメリットです。
特に請求書の発行件数が多い企業や、複数の担当者で請求業務を行っている企業では、システムを導入することで作業負担の軽減や業務品質の安定化が期待できるでしょう。
関連記事:請求書の電子化とは?保存要件・メリットからシステム選定まで解説
請求書の日付管理や発行業務を効率化するには、請求書発行システム「楽楽明細」の活用がおすすめです。「楽楽明細」なら、取引先ごとの締め日に応じた請求書の日付設定や発行スケジュールを自動化できます。
ここでは、「楽楽明細」が請求書の発行業務を効率化できる理由を紹介します。
請求書発行業務では、取引先ごとに異なる締め日や支払条件を正確に管理する必要があります。「楽楽明細」では、あらかじめ登録した取引先情報や請求条件に基づいて、請求書の発行業務を効率化できます。
また、発行日や公開日などの設定を行うことで、請求書を指定したタイミングでWEB上に公開したり、メールで送付したりできます。手作業で発行日を確認しながら対応する必要がなくなるため、請求書の日付設定のミスや送付忘れのリスクを抑えられます。
さらに、請求書を郵送する場合と比べて、発行から送付までの作業時間を短縮できる点もメリットです。毎月発生する定期的な請求業務を自動化することで、経理担当者の負担軽減につながります。
月末や月初は、請求書の作成・印刷・封入・発送などの業務が集中し、経理担当者の負担が大きくなる時期です。「楽楽明細」を活用すると、請求書の発行から取引先への通知までを効率化できるため、毎月の発送作業に追われる負担を軽減できます。
また、WEB上で請求書を発行・配信できるため、紙の請求書で発生していた印刷費や封筒代、郵送費などのコスト削減も可能です。請求書の発送準備や到着確認にかかる時間も削減でき、担当者はより重要な業務に集中できます。
請求書の発行件数が多い企業ほど、手作業による処理時間やコスト削減効果が期待できるでしょう。請求業務の効率化だけでなく、電子化によるペーパーレス化を推進できる点も「楽楽明細」を導入するメリットです。
請求書の日付は、一般的に実際に請求書を発行した日を記載します。ただし、掛売方式や都度請求など取引形態によって発行タイミングは異なるため、取引先ごとの締め日や支払条件を確認したうえで管理することが大切です。
また、請求書の日付管理では、発行漏れや記載ミスを防ぐために社内ルールを統一し、取引先ごとの請求条件を把握しておく必要があります。請求書発行システムを活用すれば、発行業務の自動化やペーパーレス化が可能になり、経理担当者の負担軽減にもつながるでしょう。
「楽楽明細」であれば、取引先ごとの請求条件に合わせた請求書の発行や配信を自動化でき、発行漏れや送付ミスの防止、業務全体の効率化に役立ちます。
請求書業務の効率化を図りたい企業は、ぜひ「楽楽明細」の導入をご検討ください。
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。
大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
※ 月の発行件数500件の場合の月間の導入効果(ラクス調べ)


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