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駐車場代を経費にするときの勘定科目は?仕訳例や注意点も解説

駐車場代を経費にするときの勘定科目は?仕訳例や注意点も解説
更新日:2026/5/8

駐車場代は、業務で車を使用する際に発生する経費です。月極契約なのか、一時利用のコインパーキングなのか、どのような目的で利用したのかによって、使用する勘定科目は異なります。正確な会計処理のためには、利用状況を明確にし、適切な勘定科目を選ぶことが欠かせません。

本記事では、駐車場代の利用形態ごとの勘定科目や仕訳例、経費計上時の注意点を解説します。

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駐車場代は経費にできる?

仕事で車を使う機会が多い会社では、「駐車場代は経費として計上できるのか?」「勘定科目は何で計上したらいい?」と迷うこともあるでしょう。

業務に必要な支出であれば経費にできますが、計上する際は、使用頻度や利用目的で勘定科目が変わる点に注意が必要です。

ここでは、駐車場代を経費にできる条件や勘定科目の判断基準を解説します。

事業目的であれば経費に計上できる

駐車場代を経費として計上できるのは、業務のために使用した場合です。たとえば、営業活動で外出した際に利用したコインパーキング代や、業務車両のために契約している月極駐車場代が該当します。

一方、私用で立ち寄った際の駐車場代や、プライベート利用が中心の車にかかる駐車場代は経費にできません。業務利用と私的利用が混在する場合は、事業に使用した割合に応じて按分する必要があります。

経費として正しく計上するためには、「いつ・どこで・何のために利用したか」が分かる記録が必要です。駐車券や領収書を保管するとともに、出張報告書や業務記録などと紐付けておくと、税務調査でもスムーズに説明できます。

個人事業主は家事按分して計上する

個人事業主が駐車場代を経費として計上できるのは、「事業のために必要な支出だった」と客観的に示せる場合に限られます。事業とプライベートで使う割合を明確に区別することが難しい場合は、駐車場代をすべて経費として処理することはできません。そのため、利用状況に応じて「家事按分」して経費に計上する方法が一般的です。

たとえば、業務での使用が全体の6割であれば、駐車場代の60%のみを経費として算入します。事業用途がどの程度かを説明できるよう、日々の使用状況をメモしておくと、適切な按分割合を算出しやすくなるでしょう。

使用頻度や利用目的で勘定科目が変わる

駐車場代は、事業でどの程度利用しているか、またどのような目的で使用したかによって、使用する勘定科目が変わります。

日常的に車を業務利用している場合と、外出時のみ一時的に利用する場合では性質が異なるため、同じ「駐車場代」でも経費の扱いが変わるのが一般的です。

また、一時的な利用であっても、その利用目的によって分類は異なり、実態に合わせて判断することが大切です。

経費に計上する駐車場代の勘定科目

駐車場代を経費として処理する際は、利用する駐車場の種類ごとに勘定科目が異なります。ここでは、月極駐車場とコインパーキングの場合に分けてみていきましょう。

月極駐車場を利用している場合

事業で利用する月極駐車場を契約する場合、継続利用を前提としており、外出時に利用するコインパーキングのような一時的な駐車場代とは扱いが異なります。

経費計上では毎月一定額を支払う固定費として扱い、勘定科目は「地代家賃」に分類するのが一般的です。

コインパーキングを使用した場合

業務で外出した際にコインパーキングを使用した場合、駐車場代は一時的に発生する支出として扱われます。

月極契約のように継続的な固定費ではなく、その都度必要に応じて発生する費用として、「旅費交通費」で仕訳するのが一般的です。

一時的な利用のため、実際の利用状況が分かるよう領収書を保管しておくことが大切です。

駐車の目的別に分けるケースもある

一時的な利用であるコインパーキングの駐車場代は、利用目的によって勘定科目を分けるケースもあります。

たとえば、従業員向けのイベントや福利厚生の一環で使用した場合は「福利厚生費」、取引先との面会や接待に伴う利用であれば「交際費」で計上するケースが多いでしょう。

また、どの科目にも明確にあてはまらない場合は「雑費」として処理されることもあります。

駐車場の利用目的で勘定科目を使い分ける理由

駐車場代の勘定科目を利用目的によって使い分けることで、経費処理の正確性が保たれ、税務調査でも説明しやすくなります。

ここでは、勘定科目を使い分ける理由を詳しく解説します。

税務調査で説明しやすくするため

駐車場代の勘定科目を利用目的ごとに使い分ける理由は、税務調査で適切に説明できるようにするためです。税務調査では、計上された経費が正しく区分され、事業に必要な支出であるかどうかが細かくチェックされます。

もし、勘定科目の分類が不明瞭であったり、目的と異なる科目で処理されていたりすると、経費計上の妥当性を疑われ、不正申告とみなされるリスクが高まるでしょう。

利用目的に合わせて正しい科目で処理しておくことが、調査時のトラブルを防ぐ重要なポイントです。

経費の管理をわかりやすくするため

経費の管理をわかりやすくすることも、勘定科目を使い分ける理由のひとつです。経費を目的別に仕訳しておけば、どの業務にどれだけの費用が発生しているのかをあとから把握しやすくなります。

たとえば、営業活動に伴う支出が多いのか、福利厚生にかかる費用が増えているのかなどを明確に確認でき、事業運営やコスト見直しにも役立ちます。経費の見える化を進めるためにも、適切な勘定科目で処理することが大切です。

不正利用を防止するため

駐車場代を利用目的ごとに勘定科目で区分するのは、不正利用を防止することも理由にあげられます。

私用で利用した駐車場代を業務用として申請したり、実際より長い利用時間で経費を計上したりする不正を防ぐためには、目的に応じて細かく仕訳することが大切です。

勘定科目を正しく使い分けることで、支出の内容が明確になり、不正が発生しにくい環境づくりができます。適切な分類は、事業の信頼性を守るうえでも欠かせません。

駐車場代の仕訳例

駐車場を事業で使用する状況ごとに、駐車場代の仕訳例についてみていきましょう。

月極駐車場を利用している場合の仕訳例

社用車を停める目的で月極契約をしている場合、毎月の利用料金は「地代家賃」で仕訳します。

月2万円の利用料金を口座引き落としで支出した際の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
地代家賃 20,000円 普通預金 20,000円

コインパーキングを使用した場合の仕訳例

コインパーキングは、利用目的により勘定科目が異なります。

【出張で利用し、現金で支払った場合】

従業員が出張で駐車場を使用し、使用料2,000円を現金で支払った場合は「旅費交通費」で計上します。仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
旅費交通費 2,000円 現金 2,000円

【出張で利用し、クレジットカードで支払った場合】

コインパーキングの支払いにクレジットカードを利用した場合、「支払いが発生した時点」と「実際に引き落とされた時点」が異なるため、それぞれの仕訳を行います。

まず、カードを利用した時点ではまだ銀行口座からお金は引き落とされていません。そのため、「未払金」として一時的に負債を計上します。

借方 貸方
旅費交通費 2,000円 未払金 2,000円

後日、カード会社から利用料金が引き落とされたときは、未払金を消し、普通預金の減少として処理します。

借方 貸方
未払金 2,000円 預金 2,000円

【社員旅行で利用した場合】

社員旅行でコインパーキングを利用した場合、勘定科目は「福利厚生費」で計上します。使用料3,000円を現金で支出した際の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
福利厚生費 3,000円 現金 3,000円

【接待で利用した場合】

取引先との接待で駐車場を使ったとき、勘定科目は「交際費」で計上します。使用料1,000円を現金で支出した際の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
交際費 1,000円 現金 1,000円

【研修で利用した場合】

研修で駐車場を利用したケースでは、勘定科目は「研修費」で計上します。使用料1,000円を現金で精算した場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
研修費 1,000円 現金 1,000円

【たまにしか使わない場合】

駐車場をめったに使用しない場合は、「雑費」として計上します。

使用料1,000円を現金で支払った場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
雑費 1,000円 現金 1,000円

なお、駐車場代以外の勘定科目については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2025年最新版】実務で使える勘定科目一覧と仕訳ミスがなくなる基本ルール

駐車場代を経費計上する際の注意点

駐車場代を経費計上する際は、消費税の取り扱いや月極駐車場にかかる初期費用など、注意すべきポイントがあります。駐車場代の会計処理について、注意点をみていきましょう。

消費税が発生する場合・しない場合がある

駐車場代には、消費税が発生する場合と発生しない場合があります。

一般的に、コインパーキングや月極駐車場など、土地が駐車場として整備されているサービスには消費税が課税されます。

一方で、土地そのものを貸し付ける場合には消費税が発生しません。ここでいう「土地の貸付け」とは、「舗装や区画線を引くなどの手が加えられていない単なる空地」を貸し出すことを指します。そのため、整備されていない空地を駐車場として利用者に提供する場合は、土地の貸付けとみなされ、消費税の課税対象にはなりません。

ただし、未整備の土地であっても、1か月未満の短期利用の場合は課税対象になります。これは、短期的な駐車スペースの提供は「土地の貸付け」ではなく「役務の提供」とみなされるためです。

そのため、時間貸しのコインパーキングのように、利用期間が短く反復的に提供される形態は、常に消費税が発生する点に注意が必要です。

月極駐車場の初期費用は別の勘定科目を使う

月極駐車場の契約では、初期費用として敷金・保証金・礼金などが発生します。これらは性質が異なるため、勘定科目も使い分けが必要です。

初期費用 内容 勘定科目
敷金 契約期間中の担保として預ける費用 返還あり:差入保証金
返還なし:長期前払費用
保証金 契約継続のための預託金 返還あり:差入保証金
返還なし:長期前払費用
礼金 契約時に支払う謝礼 20万円未満:地代家賃
20万円以上:長期前払費用
仲介手数料 仲介した不動産会社に支払う手数料 支払手数料

敷金や保証金は、一般的には契約終了時に返還される性質を持つため、「差入保証金」などの資産科目で処理します。返還されない場合は、「長期前払費用」として計上します。

長期前払費用とは、前払費用のうち1年を超えて費用化する支出に使う勘定科目です。支払時にはいったん長期前払費用として資産計上し、契約期間などに応じて来期以降へ配分しながら費用化する「償却」を行います。

一方、返還されない礼金を経費に計上する際は、金額が20万円未満の場合と20万円以上の場合で異なります。

礼金が20万円未満の場合は費用に計上し「地代家賃」として処理するのが一般的です。一方、20万円以上など金額が大きい礼金については、長期前払費用として処理します。

礼金が20万円以上の場合は、税法上「繰延資産」に該当するため、支払時にはいったん長期前払費用として資産計上し、契約期間などに応じて来期以降へ配分しながら費用化する「償却」を行うという流れです。

また、仲介した不動産会社に手数料を支払った場合は「支払手数料」で処理します。

領収書を忘れずに保存する

コインパーキングを利用した際は、駐車場代を経費として計上するために必ず領収書を受け取り、保管しておきましょう。領収書がない場合、税務調査で経費として認められない可能性があります。

領収書が出ない形式の駐車場を利用した場合は、業務利用を証明するため、利用した日付・駐車場名・利用目的・支払金額を記録しておくことをおすすめします。

インボイス制度への対応について確認する

駐車場代は一般的に、消費税が課される「課税取引」に該当します。そのため、課税事業者が仕入税額控除を受けるためには、駐車場の運営事業者から適格請求書(インボイス)を受け取る必要があります。

コインパーキングのように不特定多数が利用する駐車場では、適格請求書の記載事項を簡略化した「適格簡易請求書」の発行が認められています。レシートがこの形式を満たしていれば、仕入税額控除の対象として扱うことが可能です。

一方、月極駐車場では口座振替のみで利用料金を支払うケースが多く、請求書や領収書が発行されないケースも珍しくありません。その場合でも、貸主の登録番号、適用税率と契約内容が確認できる書類(貸主の登録番号が記載された契約書など)と、引き落としが確認できる明細を保管しておけば、仕入税額控除を適用できます。

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申請から承認、仕訳までの流れが自動化されるため、担当者の負担を減らし、経費処理のミス防止にもつながるでしょう。

まとめ

事業により発生した駐車場代は、経費に計上できます。駐車場代は利用状況に応じて、複数の勘定科目を使い分けなければなりません。正しい勘定科目による仕訳処理を行い、領収書を適切に管理しておくことで、税務調査でのトラブル防止にもつながります。

月極契約やコインパーキングの利用など、状況に合わせて処理方法を整理し、正確な経費計上を行いましょう。

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安田 亮
監修
安田 亮

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。 大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

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