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送料・運賃の勘定科目は何費で仕訳する?ケース別の仕訳例

送料・運賃の勘定科目は何費で仕訳する?ケース別の仕訳例
更新日:2026/9/29

送料や運賃を処理する際の勘定科目は、発送の目的や取引内容によって異なります。商品を販売するための発送費用は「荷造運賃」、立て替えた送料は「立替金」として扱うなど、取引ごとに適切な処理が必要です。

本記事では、送料・運賃で使用する代表的な勘定科目やケース別の仕訳例、処理する際の注意点について解説します。

関連記事:【2025年最新版】実務で使える勘定科目一覧と仕訳ミスがなくなる基本ルール

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送料の勘定科目は何で処理すればいい?

商品や書類などを発送する際に発生する送料は、取引内容や用途によって使用する勘定科目が異なります。適切な勘定科目を選択するには、送料が発生した目的を確認することが大切です。

ここでは、送料の勘定科目の処理方法や、適切な科目を選ぶ重要性について解説します。

用途によって使用する勘定科目は異なる

送料の会計処理では、送料が発生した目的や取引との関係によって、適切な勘定科目は変わります。

たとえば、商品やサンプル品を取引先へ発送するために支払った送料は、販売活動に伴う費用として「荷造運賃」で処理するのが一般的です。一方、商品を仕入れる際に発生した送料は、商品の取得に必要な費用として「仕入高」に含めて処理します。

また、取引先へ贈答品を送るための送料であれば「交際費」、書類や請求書などの発送にかかった費用であれば「通信費」として処理するケースもあります。

このように、同じ送料でも発送するものや目的によって適切な勘定科目が異なるため、取引内容を確認したうえで判断する必要があります。

なお、使用する勘定科目に明確な決まりがあるわけではありません。書類の発送費を「通信費」ではなく「荷造運賃」で処理することも可能です。

ただし、企業内で処理方法が統一されていないと、経理担当者ごとに判断が分かれ、帳簿管理が複雑になる可能性があります。そのため、自社の取引内容に合わせて一定のルールを設け、継続して同じ勘定科目を使用することが重要です。

勘定科目の選択基準が曖昧だと経理業務の負担が増える

送料の発生パターンは、多岐にわたります。使用する勘定科目の選択基準が明確になっていない場合、経理担当者が処理のたびに判断する必要があり、業務負担の増加につながるおそれがある点に注意が必要です。

商品発送にかかった送料について、ある担当者は「荷造運賃」、別の担当者は「通信費」として処理するといった状況が発生すると、同じ種類の取引でも異なる勘定科目が使用されることになります。その結果、月次の経費集計や決算時の確認作業に時間がかかるだけでなく、前年との比較や経費の分析が難しくなる可能性があるでしょう。

また、送料には商品の発送、仕入れ、取引先への贈答、書類送付などさまざまな発生原因があります。取引ごとに適切な勘定科目を判断するには、経理担当者が内容を確認しなければならず、処理件数が多い企業ほど負担が大きくなるでしょう。

送料の仕訳で使う勘定科目と仕訳例

送料の仕訳で使う勘定科目は、用途によって使い分けが必要です。ここでは、発送側と受取側に分け、ケースごとに使用する勘定科目と仕訳例を紹介します。

発送側

商品や書類などを発送する際に発生した送料を計上する場合、主に使用される勘定科目は「荷造運賃」と「立替金」です。また、場合によっては「通信費」や「交際費」で処理することもあります。

それぞれの仕訳例をみていきましょう。

荷造運賃

「荷造運賃」は、商品や製品を発送する際に発生する梱包費や送料などを処理するための勘定科目です。販売した商品を顧客へ送る際の宅配便料金や郵送料、商品の梱包に使用する段ボールや緩衝材、ガムテープなどの費用が該当します。

商品発送時に送料800円を現金で支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
荷造運賃 800 現金 800

立替金

「立替金」は、本来は取引先や顧客などが負担すべき費用を、一時的に自社が支払った場合に使用する勘定科目です。送料を自社の経費として処理するのではなく、あとから相手先へ請求する場合に使用します。

顧客負担の送料500円を一時的に自社が支払い、後日請求する場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
立替金 500 現金 500

顧客に請求して、立替分を現金で受け取った際は以下のように仕訳します。

借方 貸方
現金 500 立替金 500

通信費

「通信費」は、電話料金やインターネット利用料、郵便料金など、通信に関連する費用を管理するための勘定科目です。送料のうち、書類や請求書などを送付するために発生した費用は、「通信費」で処理します。

取引先に契約書を簡易書留で送付し、送料460円(定形郵便110円+簡易書留350円)を支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
通信費 460 現金 460

交際費

「交際費」は、得意先や取引先などとの関係を継続するため、接待や慰安、贈答などを行った場合の費用を計上する際の勘定科目です。取引先などにお中元・お歳暮を贈る際にかかった送料も、贈答に伴う費用として交際費に含めて処理することがあります。

お歳暮の商品代と送料をまとめて支払った場合などは、贈答にかかった費用として商品代と送料を合わせて交際費に計上します。取引先へ商品代10,000円のお歳暮を送り、送料800円を支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
交際費 10,800 現金 10,800

一方、商品代と送料を別々に支払った場合は、それぞれの支払いに応じて仕訳します。あらかじめ購入していたお歳暮を発送する際、送料800円を支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
交際費 800 現金 800

受取側

商品や備品などを購入した際に発生する送料は、購入したものを取得するために直接かかった費用である場合、原則として購入した資産や商品の取得価額に含めて処理します。購入した商品の種類や使用目的に応じて、適切な勘定科目を選ぶことが重要です。

受取側で送料を処理する際に使用される代表的な勘定科目と仕訳例をみていきましょう。

仕入高

「仕入高」は、販売目的で商品や原材料を購入した際にかかった費用を計上する際の勘定科目です。仕入商品の購入に伴って発生した送料は、送料のみを別途経費として計上するのではなく、原則として商品の取得にかかった付随費用として、仕入高に含めて処理します。

10万円の商品を仕入れた際、送料1,000円と合わせて振り込んだ場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
仕入高 101,000 普通預金 101,000

固定資産

「固定資産」とは、事業で長期的に保有・使用する資産のことです。機械、車両、パソコンなどの固定資産を購入する際に発生した送料は、「固定資産」の取得価額に含めて処理します。固定資産の取得に直接かかった費用は、購入した資産を使用できる状態にするために必要な支出として扱われるためです。

20万円のパソコンを購入し、送料1,000円と合わせて振り込んだ場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
工具器具備品 201,000 普通預金 201,000

消耗品費

「消耗品費」は、文房具や事務用品、日用品など、使用によって短期間で消耗する物品の購入費を処理する勘定科目です。また、取得価額が10万円未満、または使用可能期間が1年未満の物品を購入した際にも使用されることがあります。事務用品や日用品など、消耗品を購入した際に発生した送料は、購入したものと合わせて「消耗品費」として処理します。

ECサイトで3,000円の文房具を購入し、送料400円と合わせて振り込んだ場合の仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
消耗品費 3,400 普通預金 3,400

送料の仕訳を効率化するポイント

送料は取引ごとに発生する機会が多く、発送するものや目的によって使用する勘定科目も変わります。そのため、処理件数が多い企業では、仕訳の判断や入力作業が経理担当者の負担になることもあるでしょう。送料の仕訳を効率化するには、社内ルールの整備やシステムの活用が有効です。

ここでは、送料の仕訳を効率化するためのポイントを解説します。

勘定科目のルールを社内で統一する

送料の仕訳を効率化するには、使用する勘定科目のルールを社内で統一することが大切です。明確な基準がない場合、担当者ごとに異なる勘定科目を使用してしまい、帳簿の管理や経費に関する分析が難しくなる可能性があります。

担当者の判断にばらつきがあると、月次集計や決算時の確認作業に時間がかかるだけでなく、前年との比較や部門ごとの費用分析にも影響するでしょう。

こうした問題を防ぐには、「商品発送にかかる送料は荷造運賃」「仕入れに伴う送料は仕入高」「取引先への贈答品にかかる送料は交際費」など、用途ごとの処理ルールをあらかじめ統一することが効果的です。

また、仕訳ルールをマニュアル化して共有しておけば、新しい担当者でも迷わず処理できるようになります。属人化を防ぎ、経理業務の品質を一定に保つためにも、勘定科目の判断基準を明確にしておきましょう。

経費精算システムや会計システムを活用して入力を効率化する

送料の仕訳件数が多い企業では、経費精算システムや会計システムを活用することで、入力作業や確認業務を効率化できます。特に、送料を含む経費精算が頻繁に発生する場合、手作業での入力や仕訳処理は担当者の負担になりやすく、入力ミスの原因にもなるでしょう。

経費精算システムを導入すれば、申請内容に応じた勘定科目の設定や仕訳データの自動作成が可能になります。あらかじめ「宅配便料金は荷造運賃」「郵送費は通信費」といったルールを登録しておけば、担当者が毎回判断する手間を削減できます。

また、会計システムと連携できるサービスを利用すれば、作成した仕訳データを自動で取り込めるため、転記作業や入力ミスの防止にもつながります。領収書や請求書などの証憑を電子管理できるシステムであれば、あとから取引内容を確認する際にも便利です。

送料のように日々発生する細かな取引は、一件あたりの処理時間は短くても、積み重なることで大きな業務負担になります。システムを活用して定型的な仕訳処理を効率化することで、経理担当者は決算対応や分析業務など、より重要な業務に時間をあてられるでしょう。

送料を会計処理する際の注意点

送料を会計処理する際は、使用する勘定科目の選択だけでなく、処理方法や社内ルールにも注意する必要があります。

ここでは、会計処理をする際に確認しておきたいポイントを紹介します。

未使用の発送資材は貯蔵品として処理する

商品発送に使用する切手やレターパック、発送用の段ボールなどをまとめて購入している場合は、決算時に未使用分を「通信費」や「荷造運賃」などの費用科目から「貯蔵品」へ振り替える処理が必要です。「貯蔵品」は、将来使用するために保管している消耗品などを管理するための勘定科目です。

商品発送用の段ボールを5,000円分まとめて購入し、決算時に2,000円分が未使用のまま残った場合、購入時と決算時にそれぞれ次のような仕訳を行います。

(購入時)

借方 貸方
荷造運賃 5,000 現金 5,000

(決算時)

借方 貸方
貯蔵品 2,000 荷造運賃 2,000

一度設定した勘定科目は継続して使用する

送料の仕訳では、一度決めた勘定科目を継続して使用することが重要です。会計処理では、同じ内容の取引を毎回異なる勘定科目で処理すると、帳簿の一貫性が失われ、経費の分析や比較が難しくなります。

たとえば、商品の発送にかかった送料をある月は「荷造運賃」、別の月は「通信費」として処理すると、荷造運賃の実際の発生額を正確に把握できません。また、決算時に勘定科目を確認し直す必要が生じ、経理業務の負担増加につながります。

そのため、一度決めた勘定科目は、「継続性の原則」にもとづき、原則として毎期継続する必要があります。「どのような送料をどの勘定科目で処理するか」という基準を社内で決め、継続して適用することが大切です。

「楽楽精算」で送料の仕訳業務を効率化できる

煩雑になりやすい送料の仕訳業務を効率化するには、入力や仕訳作成の負担を軽減できる経費精算システムの導入がおすすめです。経費精算業務を効率化するクラウド型のシステム「楽楽精算」であれば、申請から承認、仕訳データの作成までを一元管理できます。

送料を含む経費精算では、取引内容に応じた勘定科目の判断や入力作業が必要になります。処理件数が多い企業では、担当者ごとに判断が分かれたり、入力ミスが発生したりすることもあるでしょう。

「楽楽精算」を活用すれば、あらかじめ設定した仕訳ルールにもとづいて勘定科目を自動で振り分けられるため、処理方法を統一できます。

また、申請データをもとに仕訳データを自動作成し、会計ソフトへ連携できるため、経理担当者による転記作業や確認作業の削減にもつながります。送料のように日常的に発生する細かな経費処理を効率化することで、月次決算や年度決算にかかる時間の短縮にも役立つでしょう。

さらに、領収書の電子保存やインボイス制度への対応など、経費精算に関わるさまざまな業務を効率化できる点も特徴です。仕訳業務だけでなく、申請・承認・管理まで含めた経理業務全体の生産性向上を目指す企業に適したシステムといえるでしょう。

まとめ

送料・運賃の仕訳では、発生した目的や取引内容に応じて適切な勘定科目を選択することが大切です。また、社内で仕訳ルールを統一し、経費精算システムや会計システムを活用することで、入力作業や確認業務の効率化につながります。

「楽楽精算」であれば、経費精算に関する入力や仕訳作成を効率化でき、日々発生する送料を含む経費処理の負担を軽減できます。定型的な仕訳業務を効率化することで、経理担当者は確認や判断が必要な業務に時間をあてられるでしょう。

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安田 亮
監修
安田 亮

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。 大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

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