平均残業時間はどのくらい?最新のデータと削減方法を徹底解説
働き方改革の浸透により、長時間労働の是正が多くの企業で求められています。
そのなかで、「自社の残業時間は平均より多いのでは?」と不安を感じる人事労務担当者も少なくないでしょう。
長時間労働は法令違反を招くだけでなく、従業員の健康被害やモチベーションの低下、企業の信用リスクにもつながります。
こうしたリスクを回避するためには、労働時間を正確に把握し、自社の状況を客観的に分析することが重要です。
本記事では、日本企業の平均残業時間を最新データで解説するとともに、残業時間を削減するための具体的な手法をご紹介します。
この記事のポイント(要約)
POINT- 日本企業の平均残業時間は?
- 一般労働者で月13.2時間。
- 法律で定められた残業時間の上限は?
- 原則「月45時間・年360時間」。特別条項を締結しても月100時間未満などの厳格なルールあり。
- 残業時間を効率的に削減するポイントは?
- 勤怠管理システムによる「可視化」と「仕組み化」。
この記事の目次
日本企業の平均残業時間は月13.2時間
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報(※1)」によると、日本企業における一般労働者(パートタイム労働者でない常用労働者)の平均残業時間は月13.2時間です。また、パートタイム労働者の場合は2.3時間でした。
なお、ここでいう残業時間は、企業ごとの所定の労働時間を超えて働いた「所定外労働時間」をもとに算出されています。
前年の令和6年調査(※2)では、一般労働者の平均残業時間が13.5時間・パートタイム労働者で2.3時間でした。そのため、一般労働者については約2%の減少が見られ、長時間労働の是正が少しずつ進んでいることが分かります。
こうした統計データを、自社の勤怠データから算出した平均残業時間と照らし合わせることで、自社の残業水準が平均と比較して多いのか・少ないのかを客観的に把握できるでしょう。
一方で、業種によって残業時間には大きな差があるため、次の項では「平均残業時間が長い業種と短い業種」を見比べながら、自社の状況をより具体的に確認していきましょう。
(※1)参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」
(※2)参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報」
平均残業時間が長い業種と短い業種
平均残業時間の長短において、上位5つの業種と平均時間はそれぞれ以下の通りです。
<平均残業時間が長い業種(一般労働者)>
| 業種 | 平均残業時間 |
|---|---|
| 運輸業、郵便業 | 24.1時間 |
| 電気・ガス業 | 16.9時間 |
| 情報通信業 | 16.5時間 |
| 飲食サービス業など | 15.6時間 |
| 教育・学習支援業 | 14.8時間 |
<平均残業時間が短い業種(一般労働者)>
| 業種 | 平均残業時間 |
|---|---|
| 医療・福祉 | 6.7時間 |
| 複合サービス事業 | 8.3時間 |
| 生活関連サービスなど | 10.5時間 |
| 卸売業、小売業 | 11.3時間 |
| 鉱業、採石業など | 12.4時間 |
(※)出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」
統計を見ると、運輸業、郵便業の平均残業時間は24.1時間と、他業種と比べて突出して高い水準です。
運輸業、郵便業では、これまで猶予されていた時間外労働(法定の労働時間である1日8時間、週40時間を超えて行う労働)の上限規制が2024年4月から本格的に適用されましたが(※1)、EC市場の拡大に伴う荷物量の増加や再配達問題、トラックドライバーの慢性的な人手不足が課題となっています。(※2)
こうした構造的な要因により、規制適用後も残業時間の削減は一気には進みにくい現状があるといえるでしょう。
一方、平均残業時間が短い業種として挙がった以下の業種に関しては、前年比での削減スピードにおいても注目すべき動きが見られました。
| 業種 | 前年比での削減率 |
|---|---|
| 複合サービス事業(※3) | -13.2% |
| 鉱業、採石業など | -13.2% |
上記の業種は、1年で1割近い削減に成功しています。
これは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や、組織的な業務見直しが業界全体で加速している表れといえるでしょう。(※4)
(※1)参考:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト はたらきかたススメ」
(※2)参考:国土交通省「宅配便の再配達削減へ向けて」
(※3)複合サービス事業:複数の各種サービスを提供する事業所であり、郵便局、農業組合などが分類される。(参考:総務省「大分類Q-複合サービス事業」)
(※4)参考:北海道ホームページ「働き方改革の取り組み」
月の残業時間は原則45時間まで!時間外労働の上限規制の内容
残業時間には、労働基準法によって上限が定められており、これを「時間外労働の上限規制」と呼びます。
一般的には、会社が就業規則などで定めた労働時間(=所定労働時間)を超えて働いた時間を「残業」と呼びますが、法律で上限が規制されているのは、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた時間です。
この法定労働時間を超える部分を「時間外労働」といい、長時間労働による健康障害を防止するために上限が設けられました。(※1)
時間外労働の上限規制は、2019年4月に大企業、2020年4月に中小企業へと順次適用され、2024年4月からは建設業・自動車運転の業務(運輸業)・医師など、これまで猶予されていた業種もすべて対象となっています。(※2)
ここからは、この時間外労働の上限規制の具体的な内容について、順を追って確認していきましょう。
(※1)参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
(※2)参考:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」
時間外労働の上限規制や36協定については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:残業時間の上限規制とは?超えたらどうなるかや36協定についてわかりやすく解説
違法となる残業時間は?
違法となる残業時間は、原則として「月45時間・年360時間」を超える場合です。
そもそも、法定労働時間である「1日8時間、週40時間」を超える労働をさせるには、「36協定」を締結する必要があります。
36協定とは、法定労働時間を超えて残業させる場合に締結し、労働基準監督署への届け出が必要な労使協定(企業などの使用者と労働者の代表との間で取り決める、労働に関する協定)のことです。
なお、36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出ている場合であっても、原則として月45時間・年360時間の上限を超えて労働させることは労働基準法違反となります。
また、休日については、「法定休日」として毎週少なくとも1回は与える必要があります。この法定休日に労働させる場合も、36協定の締結・届け出が必要であるため注意が必要です。
(※)参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
特別条項付きの36協定を締結しても残業は月100時間まで
繁忙期や急な退職など、業務上やむを得ず長時間の残業が発生する「臨時的な特別の事情」がある場合には、「特別条項付き36協定」を締結することで、原則の上限(月45時間・年360時間)を一時的に超えて働かせることができます。
ただし、特別条項を締結していても無制限に残業ができるわけではありません。
次の4つすべての上限を遵守する必要があり、1つでも超えると労働基準法違反として罰則の対象となるおそれがあります。
- 時間外労働が年720時間以内であること
- 時間外労働と休日労働の合計が、1か月あたり100時間未満であること(100時間は違反)
- 時間外労働と休日労働の合計について、2か月~6か月のすべての期間において、1か月あたり平均80時間以内であること
- 時間外労働が月45時間を超えられるのは、年6か月までであること
このように、特別条項付き36協定を結んだ場合でも、休日労働を含めた厳格な上限が設けられています。
自社の残業時間がこれらの基準に抵触していないか、勤怠データをもとに定期的にチェックすることが重要です。
(※)参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
上限規制の違反に対する罰則とは?
時間外労働の上限規制に違反した場合、企業には罰則として「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
2019年4月の労働基準法改正前は、是正勧告などの行政指導が中心の運用となっていましたが、改正後はこの上限規制が法的な拘束力を持つルールとして明確に位置づけられました。(※1)
さらに、長時間労働の常態化は、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調などの健康障害リスクを高めることが、厚生労働省の資料でも繰り返し指摘されています。(※2)
罰則を回避するためだけでなく、従業員の健康と企業の持続的な成長を守るためにも、残業時間を含めた労働時間を適切に管理することが不可欠です。
(※1)参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
(※2)参考:厚生労働省「過重労働による健康障害を防ぐために」
長時間労働者へは医師の面接指導が必要
2019年4月に時間外労働の上限規制が施行されたことに合わせ、労働安全衛生法も改正されました。これにより、長時間労働者に対する医師の面接指導ルールが大幅に強化されています。
現在は、「時間外労働・休日労働時間が1か月あたり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者」が面接指導の対象です。
以前の基準である「月100時間超」から「月80時間超」へ引き下げられたことで、より広い範囲の従業員を早期にケアできる仕組みへと変わりました。(※1)(※2)
企業は該当する労働者を正確に把握したうえで、以下のような対応を行い、健康障害を未然に防止することが求められます。
- 本人への案内・申出の機会付与
- 医師による面接指導の実施
- 必要に応じた就業上の措置(労働時間の削減、配置転換など)
(※1)厚生労働省「確かめよう労働条件」
(※2)厚生労働省「働き方改革関連法により2019年4月1日から「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます」
上限規制の例外にあたる労働者にも代替措置は必須
時間外労働の上限規制には、一部の働き方において適用除外となるケースがあります。
その代表例が、一定の年収要件を満たし、高度な専門的知識などを要する業務に従事する労働者を対象とした「高度プロフェッショナル制度」です。
この制度の対象者には、労働基準法で定められた労働時間・休憩・休日および深夜の割増賃金に関する規定が適用されません。
そのため、形式上、時間外労働の上限規制自体も直接の適用はありません。
しかし、長時間労働の放置が許容されるものではありません。
事業者には上限規制に代わる措置として、次のような健康確保のための仕組みを講じることが義務づけられています。
| 措置 | 詳細 |
|---|---|
| 健康管理時間の把握 | 実際に働いた時間を含む「健康管理時間」を把握し、長時間労働になっていないかを継続的に確認する。 |
| 休日の確保 | 年間104日以上、かつ4週間を通じ4日以上の休日を与えるなど、十分な休日日数を確保する。 |
| 選択的措置の実施 | 勤務間インターバルの設定や深夜労働の回数制限など、複数の措置の中から労働者が選択できる仕組みを整える。 |
| 健康・福祉確保措置 | 健康管理時間が長くなっている場合には、医師による面接指導や就業上の配慮、メンタルヘルス対策などを講じる。 |
このように、上限規制の適用除外となる働き方であっても、企業には代替措置によって健康確保を図る責任があります。
対象者の働き方や健康状態を継続的にモニタリングし、必要に応じて適切な対策を講じることが重要です。
(※)参考:福島労働局「高度プロフェッショナル制度について」
平均残業時間の計算方法
平均残業時間は、以下の計算式で求められます。
平均残業時間 = 従業員の残業時間の合計 ÷ 従業員数
この「従業員の残業時間」を正しく算出するために、まずはひとりひとりの残業時間を次の手順で確認しましょう。
1. 所定労働時間を確認する:
自社の就業規則などで定めている所定労働時間を確認します。
(例)1日8時間、週40時間 など
2. 勤怠データから実労働時間を集計する:
タイムカードや勤怠システムなどで記録した打刻情報から、各従業員の実際に働いた時間(実労働時間)を合算します。
3. 残業時間を算出する:
「実労働時間 - 所定労働時間」の式を用いて、従業員ごとの残業時間を算出します。
この計算を全従業員に対して行い、対象月の総残業時間を従業員数で割ることで、その月の平均値が求められます。
なお、算出データの信頼性を高めて実態を正しく把握するためには、あらかじめ次のようなルールを社内で統一しておくことが不可欠です。
| 項目 | 集計の目的・ケース | ルールの調整内容例 |
|---|---|---|
| 対象者の範囲 | 全社的な「総労働量」を把握したい場合 | 休職者や短時間勤務者も含め、全従業員を母数にする |
| フルタイム従業員の負荷に焦点を当てたい場合 | 休職者やパートタイム労働者を除外し、比較精度を高める | |
| 勤務形態の扱い | 「みなし時間」と実態の乖離を確認したい場合 | 裁量労働制などであっても、みなし時間ではなく「実打刻時間」で集計する |
| 時間区分の整理 | 36協定の上限規制を遵守できているか確認したい場合 | 「時間外労働」だけでなく「法定休日労働」も合算して集計する |
| 端数処理のルール | コンプライアンス(未払い防止)を最優先する場合 | 1分単位で集計し、端数の切り捨てが発生しないようにする |
| 打刻ミスへの対応 | データの信頼性(客観性)を担保したい場合 | 自己申告による修正を禁止し、上長承認とログの保持を必須にする |
こうしたルールを揃えたうえで算出した平均残業時間を、厚生労働省の統計データと比較することで、「自社の残業水準が平均と比較してどの位置にあるのか」や、具体的な改善の余地を客観的に判断できるようになります。
平均残業時間が多い企業が抱えるリスク
平均残業時間が多い企業は、従業員・組織・社会との関係において、以下のようなリスクを抱える可能性があります。
【企業が直面する具体的なリスクの例】
- 従業員の心身の疲弊・モチベーション低下
- 離職率の上昇(優秀な人材の流出)
- 採用ブランディングの悪化に伴う採用コストの増加
- 企業コンプライアンスに対する社会的信用の低下
- 労務管理上の法的リスク(労基署是正勧告、訴訟)
これらのリスクは、企業の持続的成長を妨げる重大な要因となり得ます。
平均残業時間が多い傾向にある企業では、まず「なぜ残業が増えているのか」という背景を明確にし、自社の課題に合わせた適切な対策を講じることが重要です。
残業が発生する主な背景と、想定される課題点を以下の表にまとめました。
| 残業が増える背景 | 企業の想定課題点 |
|---|---|
| 業務設計・管理上の要因 | 業務プロセスが非効率的である、特定個人への属人化 |
| マネジメント・組織文化の要因 | 上司による業務管理不足、残業を美徳とする風土 |
| 勤怠管理・制度上の要因 | 労働時間の可視化不足、36協定や上限規制を意識しない運用 |
自社の状況を客観的に見極め、上記のような課題を解消することで、残業時間の削減と深刻なリスクの回避につなげていきましょう。
自社の平均残業時間を把握するメリット
自社の平均残業時間を適切に把握することで、以下のように多面的なメリットが得られます。
【メリット】
- 労働時間管理の適正化につながる
- 生産性向上に寄与する
- コストが削減できる
- 企業イメージが向上する
平均残業時間を明確にすることで、特定の部署や担当者への「業務の偏り」を可視化できれば、リソースの再配分など具体的な改善策を講じることが可能です。
その結果、従業員の健康維持やワークライフバランスの向上が実現し、組織全体のパフォーマンス向上へとつながっていくでしょう。
また、残業代の抑制によって人件費を最適化でき、企業全体のコスト削減効果も期待できます。
平均残業時間の把握は、リスク回避の手段であると同時に、組織をより強く、魅力的に変えていくための重要なデータとなるのです。
平均残業時間削減のコツとは?具体的な対処法を解説
平均残業時間を効果的に削減するには、管理者・従業員双方の意識改革に加え、残業を含む働き方の仕組みそのものを見直すことが不可欠です。
まずは企業が「残業削減に対して全社的に取り組む」という明確な姿勢を示したうえで、現場ごとの状況に即した改善策を講じていきましょう。
ここからは、平均残業時間を着実に減らしていくための具体的な5つの対処法について解説していきます。
業務プロセスを見直す
平均残業時間を減らすには、まず日々の業務プロセスを分解して見直すことが効果的です。
なぜなら、残業は「仕事量そのもの」よりも、無駄な手戻り・属人化・二度手間といったプロセス上の無駄から発生している場合も多いためです。
業務の流れを棚卸しして無駄を削ることで、同じ仕事量であっても定時内に終わらせる余地が生まれます。
具体的には、次のような取り組みが有効です。
| 取り組み | イメージ |
|---|---|
| 業務フローを可視化する | 部署・業務単位で「誰が・いつ・何をしているか」を図解し、重複作業やボトルネックを洗い出す。 |
| 資料作成・申請業務を標準化する | 提案書や報告書をテンプレート化し、「ゼロから資料を作る時間」を削減する。 |
| マニュアル整備で属人化を防ぐ | 特定の従業員しか知らない手順を言語化し、作業の集中や「待ち時間」が発生しない状態を作る。 |
| ツールで繰り返し作業を自動化する | 集計・転記・リマインドなど、定型作業はITツールで自動化して手作業を減らす。 |
このように、業務プロセスを一度立ち止まって見直すことが、残業削減の土台になります。
小さな改善の積み重ねが、結果として平均残業時間の圧縮と、働きやすい職場づくりにつながっていくでしょう。
残業の事前申請制度を導入する
「残業は事前に上司へ申請し、承認を得る」という仕組みを構築することも、労働時間削減には極めて有効です。
事前申請制度を導入することで、「本当に今日行うべき業務か」「翌日以降に延期できないか」「他のメンバーに分担できないか」といった確認が組織内で自然と行われるようになります。
これにより、惰性的な残業や「なんとなくの居残り」を抑制する効果が期待できるでしょう。
具体的な運用の流れは以下の通りです。
| STEP | 対応者 | 対応内容 |
|---|---|---|
| 1 | 従業員 | 残業前に、業務内容、見込み時間、理由を申請して承認を得る |
| 2 | 上司 | 業務の優先度を判断し、不要な場合は差し戻し、必要な場合は終了時間の目安を指示する |
| 3 | 人事労務担当など | 申請内容を記録。部署ごとの残業理由や傾向を集計・分析する |
こうしたプロセスを通じて、従業員ごとの業務負荷や進捗状況が可視化されるため、人員の再配置や業務プロセスの改善など、早めの対策を講じやすくなります。
単に「削減」を呼びかけるだけでなく、制度という枠組みでコントロールすることが、平均残業時間を着実に減らす鍵となるのです。
柔軟な働き方を採用する
平均残業時間を抑えるには、フレックスタイム制や在宅勤務、短時間勤務制度などの「柔軟な働き方」を導入・拡充することも有効です。
働く時間や場所の選択肢が増えることで、従業員ひとりひとりの事情に合わせて、業務量と働き方のバランスを調整しやすくなります。
具体的には、次のような施策の導入が挙げられます。
- フレックスタイム制の導入
- 在宅勤務・リモートワークの活用
- 短時間勤務制度の整備
こうした柔軟な働き方を取り入れることで、子育てや介護、通院が必要な従業員も、生活と仕事を両立しやすくなるはずです。これは離職防止やモチベーション向上に大きく寄与します。
結果として、平均残業時間の削減だけでなく、多様性を尊重した持続可能な組織運営の実現にもつながる施策といえるでしょう。
ノー残業デーを設定する
平均残業時間を減らすうえで「ノー残業デー」を設けることは、残業を前提としない働き方を社内に根付かせる有効な方法です。
「この日は必ず定時で帰る」とルール化することで、従業員は限られた時間内で業務を完結させる意識を持つようになります。
その結果、スケジュールの進行を意識した優先順位付けや、時間管理のスキル向上につながるでしょう。
ノー残業デーの具体的な取り組み例は、以下の通りです。
- 週に1回、全社共通のノー残業デーを設定する
- 部署ごとに曜日をずらし、繁忙日を避けながら実施する
- 当日は原則として残業を禁止し、やむを得ない場合のみ上長の事前承認を必須にする
こうした取り組みを継続することで、「残業ありき」ではなく「時間内で成果を出す」意識が浸透し、職場全体の生産性向上や意識改革を促せます。
単発のイベントで終わらせず、就業規則や運用ルールに組み込んで、全社的な仕組みとして定着させることが重要です。
関連記事:ノー残業デーのメリット・デメリットは?成功のコツや事例を徹底解説
勤怠管理システムを導入する
勤怠管理システムを導入すれば、従業員の労働時間を客観的かつ正確に記録・集計できるようになり、適切な労務管理の強固な土台を構築できます。
紙のタイムカードやExcelによる勤怠管理では、集計ミスや打刻漏れが発生しやすく、残業時間の実態をリアルタイムでつかむことが困難でした。
勤怠管理システムを導入することで、以下のような効果が期待でき、残業の偏りや業務負荷の偏在にも気づきやすくなります。
- 長時間労働の兆候を早期に把握できる
- 不正打刻や申請漏れを防止しやすくなる
- 休憩取得状況やシフト状況を一覧で確認できる
このように、勤怠管理システムは残業の実態を正しく把握し、具体的な改善の打ち手へとつなげるための前提条件を整える役割を果たします。
勤怠管理システムの導入により得られる具体的なメリットや機能面でのポイントについては、次の章で詳しく解説していきます。
平均残業時間の削減には勤怠管理システムがおすすめの理由
働き方改革を背景に、残業時間の削減は多くの企業にとって最優先で解決すべき経営課題となっています。
その有効な解決策として注目されているのが、勤怠管理システムの導入です。
従業員ひとりひとりの労働時間を客観的かつ正確に記録し、リアルタイムで可視化できるようになれば、無駄な残業の抑制や労務リスクの軽減に直接つながります。
本章では、勤怠管理システムがなぜ平均残業時間の削減に効果的なのかをイメージできるよう、導入によって得られる具体的なメリットや活用のポイントを中心に解説していきます。
正確な労働時間を記録・集計できる
パソコンやスマートフォン、ICカードなど多様な打刻手段に対応した勤怠管理システムは、時間や場所を問わず柔軟に打刻できることが特長です。
これにより、打刻漏れや代理打刻、改ざんといったリスクが軽減され、正確な労働時間を記録できます。
さらに、打刻データはシステム上で自動的に集計されるため、Excelへの転記や手作業による集計ミスを防げます。
正社員・パート・時短勤務など、働き方の違いに応じた計算ルールも設定できるため、精度の高い勤怠管理が実現します。
労働時間をリアルタイムで可視化できる
従業員の労働時間をリアルタイムに可視化できるのは、勤怠管理システムの大きな利点です。
紙のタイムカードやExcelによる手作業での管理では、締め日に集計作業を行うまで、月内の合計労働時間が正確にわからないケースが少なくありませんでした。
一方、システム化された環境では、出退勤の打刻がその場でデジタルデータとして記録・集計されます。そのため、管理者はいつでも最新の労働状況を画面上で確認できるようになります。
労働時間がリアルタイムで見える化されれば、長時間労働や残業が急増している従業員に対して、月をまたがず迅速なフォローが可能となります。
また、工数管理機能を備えたシステムであれば、各業務の工数ごとの稼働内容も詳細に把握できるため、より踏み込んだ働き方の改善に活用できるでしょう。
アラート機能で残業過多を抑制できる
アラート機能を備える勤怠管理システムは、残業過多の抑制に大きな効果を発揮します。
アラートとは、あらかじめ設定した労働時間を超えそうになった際に警告を発する機能です。 残業時間が一定の基準(例:月30時間経過時や、36協定の上限直前など)に達した従業員を自動で検知し、本人や上司へメールなどで事前に通知を送れます。
これにより、早期の注意喚起や業務分担の見直しをタイムリーに行えるようになり、残業時間の超過を未然に防ぐことが可能です。
また、個人の主観ではなく客観的な数値データに基づいて適切な対応を促せるため、組織全体の人事労務管理の質も大きく向上するでしょう。
残業の事前申請制度をスムーズに導入できる
残業時間の抑制には「事前申請制度」の運用が非常に有効ですが、紙やメールベースの運用では申請・承認の手間が膨大になりがちです。
一方で、勤怠管理システムを活用すれば、こうした制度の導入・運用を極めてスムーズに行えるようになります。
なぜなら、残業申請や時差出勤といった各種申請の承認ステップを、システム上で簡単に設定できるからです。これにより、申請・承認の手間を大幅に削減できるだけでなく、管理者は部下の残業予定をリアルタイムに把握できるようになります。
さらに、自社の既存ワークフローに合わせた柔軟なプロセス構築が可能な製品であれば、残業の制限や抑制といった具体的な対策を現場へスムーズに浸透させることができるでしょう。
法令違反の回避や労務リスク軽減につながる
勤怠管理システムを導入することで、労働時間の上限や割増賃金の支払いなど、法令を遵守した管理が容易になります。
客観的な打刻データに基づく管理は、意図しない法令違反のリスクを最小限に抑え、企業のコンプライアンス体制を強固なものにします。
また、従業員自身がパソコンやスマートフォンから自分の労働時間をリアルタイムで確認できるため、働き方への意識が高まり、長時間労働の抑制や残業代への納得感にもつながるでしょう。
その結果、過重労働による健康障害の予防はもちろん、未払い残業代問題をめぐる労務トラブルの防止にも大きな効果が期待できます。
人事労務担当者の業務が効率化する
人事労務担当者の業務負担が劇的に軽減される点は、システム導入における大きなメリットです。
勤怠データの集計や給与計算など、これまで膨大な時間を費やしていた手作業を自動化することで、集計ミスや転記ミスといった人的リスクを最小限に抑えられます。
日々の細かな確認作業や繰り返し作業から解放されれば、人事労務担当者の心理的・時間的な余裕が生まれます。その結果、離職防止のための面談や研修制度の構築といった「より戦略的な人事施策」や、職場環境の改善といった重要度の高い業務に注力できるようになるでしょう。
このように、勤怠業務のシステム化は、担当者個人の負担を軽減するだけでなく、人事労務部門全体の生産性向上を強力に後押しします。
以下の記事では、勤怠管理システムの活用による給与計算業務効率化について詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:勤怠管理システムと給与計算の連携で業務効率化とミス防止!
クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」で自社の働き方改革を推進しよう
本記事では、平均残業時間の実態やリスク、法令上の上限規制、そして削減に向けた具体策を解説してきました。
残業時間の適切な管理と削減を成功させる鍵は、労働時間を「いかに正確かつリアルタイムに把握し、具体的な改善アクションにつなげられるか」にあります。
クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」なら、以下のような機能で企業ごとの要件に沿って柔軟に活用でき、人事労務担当者の集計・チェック作業を大幅に削減しつつ法令対応と残業抑制の両立をサポートします。
- 打刻・申請・承認・集計・給与ソフト連携までを一元管理
- 長時間労働のアラートや、残業の事前申請フローの仕組み化
- シフト制・フレックス・テレワークなど、多様な勤務形態への対応
- 部署別・従業員別の労働時間をリアルタイムに可視化
また、専任担当制の手厚いサポート体制により、初めてのシステム導入はもちろん、これまで勤怠管理システムをうまく活用しきれなかった企業へも、運用成功に向けてしっかりと伴走します。
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なお、補助金の交付を受けるには所定の要件を満たす必要があります。

